今の若い世代に洋楽バンドが好きな人ってかなり少ないと思うんですよね。「これだから今の若いヤツは!」と言いたいわけではなくて、むしろ状況を考えたら仕方ないよなって感じで。

 理由は簡単で若い子に向けて洋楽を勧める媒体がほとんどないんですよね。僕の主観だけど大体2010年ぐらいから本格的に洋楽雑誌やレコード会社が完全に若者を切り離して、既にファンとして確立してるおじさん層に向けて特化しはじめたんですよね。某フェスやら某雑誌がいまだにレッチリ、レディへで盛り上がってるのはそういうことなんじゃないかと。まあお金になる方に転がっていくのは仕方がないことだけど、何か寂しいなって思って。

 というわけで今回は今の若い世代に向けて、今の洋楽バンドの中から「やっぱりバンドって良いな」と思えるようなものをセレクトしてきました。最近海外ではバンドが流行っていないですが不毛な時代だからこそ、どのバンドも逆に強い個性があって面白いです。みなさんの洋楽へのとっかかりになればと思います。

Alabama Shakes


Alabama Shakes - Don’t Wanna Fight

 彼女らを受け入れられるかどうかで本当に音楽が好きかどうかが問われる。音楽界の踏み絵、アラバマシェイクス。

 ファンと本人には大変申し訳申し訳ないけど、正直言うと最初見た時ファイトクラブのボブ・ポールセンみたいな感じで乳がデカい男かと思った。それほどの貫禄。歌も見た目も迫力がキングサイズ。並の野郎より男性ホルモンでてそう。

 限りなくドライでヴィンテージライクという凄く演奏に気を遣いそうなバンドサウンドを基にしつつも今の時代らしさも感じられるし、音楽性がそもそもテクニカル。非常にうまく両立させていると思う。

 何回聴いても聴くたびにブリタニー・ハワードのボーカルには鳥肌が立つし、弾力のあるグルーブもあわせて”バンドって良いな”ってのを実感できる良バンドだと思います。

 

DNCE


DNCE - Toothbrush (Live At Capital’s Jingle Bell Ball 2016)

 売れまくってるので名前を知らなくても曲は聴いたことがあるはず。テイラースウィフトの元カレ、ジョー・ジョナスを中心に結成されたこのバンド、売れ線ど真ん中の音楽性に加えてメンバーにK-POPっぽい姉ちゃんがいたりと「ああそういうバンドね」といわゆるバンド音楽ファンからはいまいちウケが悪そうではあるけど、正直今回の記事の大本命。悔しいけど今世界で一番カッコイイバンドはDNCEだと思います。

 CD音源では一見するとアメリカの売れ線音楽と違いがわかりにくいだろうけど、ライブ映像を見てもらえれば一気に見え方が変わるはず。ドラムとベースとギターが生み出す生のグルーブを核とした完全なバンド音楽でございます。バンドのピエロ的なポジションかと思っていたK-POPの姉ちゃんもライブになると妙に渋くてナイスなフレーズを連発した挙句、激アツのソロをブチかましてくれる。細部まで徹底的にポップなボーカルもあわせてバンドとしての完成度は2010年代でもトップクラス。聴いたものを何が何でも絶対楽しませてやるという執念を感じる。

 本物の実力派バンドに金とアメリカンセレブが引っ付いたよくわからんバンドこそがDNCEでございます。ルックスからミーハーっぽい印象があるので敬遠しがちな人も多いと思うけど、是非一度ちゃんと聴いてみて欲しいなと思います。

 

Grouplove


Grouplove - Tongue Tied

 聴く人によってはヒップスター的なノリでオシャレに聞こえると思うけど、人によってはインディーロックの情けない感じの音楽に聴こえる人もいるはず。見る角度によって印象がガラっと変わる不思議なバンド。2010年代ロックの発明の一つ、グループラブ。このどっちつかずな感じは今までではありえなかったと思う。

 最近ではインディーロックといえども演奏が上手いバンドがかなり多いけど、グループラブは良い意味で演奏がインディー。サビとかの盛り上がる部分が力業というか若干クチャクチャな感じになるんだけど、このルーズな感じはやっぱりバンドならではの良さだなあと思います。

 

Chon


CHON - Waterslide

 モダンなメタルの名門レーベル、スメリアンレコーズ所属のバンド。これまでにEP2枚とフルアルバム2枚をリリースしているが、デビュー自体が非常に若かったのでこの超絶テクをもってしても、2017年現在まだ平均年齢23歳。最近の若い子は恐ろしい。

 初期はバカテクプログレッシブメタルからメタル成分を抜いたような感じだったけど、そこからさらにメタル成分が抜けて完全なマスロックになったかと思えば最近では完全にヒップホップな曲があったりしてジャンルの壁を飛び越えまくっててめちゃくちゃ面白い。最近の洋楽のバンド達のジャンルというものに対する考え方が顕著にでていると思う。今の世代には”ロックはこうあるべき”とかいう考えはないんだろうなあ。

 

The 1975


The 1975 - Girls

 ”最近の洋楽バンド”といったときの筆頭格がこのThe 1975なのではないだろうか。

 80年代はアリーナ向けの臭いメロディ、90年代はオルタナティブロックのザラついたサウンド、00年代はヒップホップを取り入れたりコード進行がやけにシンプルになったりと、ロックバンドのサウンドはそれぞれ年代ごとに大まかな方向性があるが、10世代はというと最初の内は”これバンドでやる意味ないじゃん”みたいな音楽が多かった。後半に行くにつれて若干楽器の音が戻ってきてはいるけど。

 そんなバンド音楽不毛の10世代のバンドは2タイプあって、一つはバンドファンのための他とは交わらない完全なバンド音楽、もう一つは流行りのヒップホップやポップス、エレクトロと混ぜて一緒に聴けるタイプの音楽。後者の側は結局”これバンドでやる意味ないじゃん”みたいになってしまうが、The 1975は後者側ながらもちゃんとバンド音楽としての良さも両立していて、10世代のバンドサウンド完成形の一つだと思う。

 

ここからいろいろ掘っていってもらえたら嬉しいなと思います

 いかがでしたでしょうか?

 今回紹介したのをとっかかりに色々掘っていってもらえたらなと思います。

 最近の邦楽では歌詞とメロディに特化したものが流行っているけど、洋楽ではまた全然違うところに重点がおかれていて、それに気づくと一気に楽しくなってくるはず。

 それでは!

Copyright © 2018 BASEMENT-TIMES All Rights Reserved.