BMWは、グローバルサイトの刷新に際して伝統を打ち破り、多くの自動車メーカーのサイトによくあるツヤツヤした製品の写真やしゃれた自動車の仕様説明を、BuzzFeedスタイルのまとめ記事やGQ風のミニ特集記事に置き換えようとしている。

コンテンツは社内の小さなマーケティングチームが作成。コンテンツには、新進気鋭のラッパーで、自身のミュージックビデオの目立つ部分で白い「BMW X6」を使ったデザイナー(Desiigner)のインタビューなどのようなものをテーマにした短い記事が含まれる。もうひとつの記事は、もっとも裕福なBMWオーナーたちのラグジュアリーなライフスタイルに焦点を当て、世界一高級なレースイベントのいくつかに関する機知に飛んだ文章と豊富な写真を織り混ぜたGQ風の特集だ。その他の記事は、自動運転やエクストリームスポーツについての特集のようにわかりやすいテーマや、世界各国のばかげた交通ルールの一覧など風変わりなトピックが繰り返されている。

データドリブンに企画



11月はじめに公開されて以来、ライフスタイルやデザイン、イノベーションを扱う記事が25本発行されている。BMWのデジタルマーケティング部門を率いるヨルク・ポーゲンポール氏によると、ストーリーのなかでBMWの車が目立つように取り上げられている限り、車がメインテーマでなくても構わないそうだ。記事は、訪問者をサイトに連れてくる検索ワードによって決められることもあるが、BMWの社内チームもまた、「BMW」または同社に関わりがある自動車のどちらかに触れているほかのクエリを追跡している。

ポーゲンポール氏は、ランキングの上位に来るものもあればそうでないものもあり、バイラル(口コミ)で広がるものもあるので、記事のパフォーマンスを追跡することが課題になることを認めている。しかし、記事の価値は、それらがより多くの製品情報が得られるローカルマーケットのBMWサイトにいかにうまく訪問者を誘導するかによって判断されるだろう。「中央のマーケットの視点から見ると、このサイトはファネルの上位に位置している」と、ポーゲンポール氏は説明する。

ポーゲンポール氏は今回のサイト刷新を、もうひとつの「パブリッシャーブランド」に軸足を移すためものとして構成したというのではなく、SEOに近いものとしてとらえている。結局のところ、「BMW.com」にやってくる人のほとんどは、直接より検索エンジン経由のほうが多いのだから、とポーゲンポール氏は付け加える。したがってサイトは、必ずしも特定の車に興味を持っていない人々を惹きつける必要はなく、むしろ彼らのライフタイトルにアピールする必要があるのだ、とポーゲンポール氏はさらに言う。「人々がドローンを話題にしているなら、そこに我々の製品とのつながりを見つけて、記事を作るようにすべきだ。今後サイトで目にする記事の中身は、よりデータドリブンなものになるだろう」。

ドライブの面白さを訴求



エイソス(Asos)やMr.ポーター(Mr Porter)がファッション業界でやったように、BMWは信頼できるエディトリアルボイスを持つブランドを確立したいと考えている。これは、若者を惹きつけるために特に必要なことだ。自動車ブランドはかつて、より伝統的な広告手法、たとえばテレビ広告などを使って長い時間をかけて、ある種のイメージを若者に与えようとしてきた。これはブランドが特定の製品の発売を中心にしたマーケティングをしていた時代の話だと、ポーゲンポール氏。現在、自動車ブランドは、人々に自動車をその場で買いたいと思わせる必要はないと決めている。ドライビングの面白さに焦点を当てる方法についてよりよく理解するようになった。

オンライン戦術のシフトは、2018年のBMWのマーケティングでより顕著になる設定がされている。「我々独自の分析を通じて、より若い世代はFacebookにそれほど強い関心を寄せていないことがわかった。彼らは、むしろSnapchatをよく利用している」と、ポーゲンポール氏は言う。

BMWは11月第4週、自動車メーカーとしては初めて、Snapchatに拡張現実(AR)広告を出した。これを見ればユーザーは、BMWの製品が現実世界でどのように見えるかを視覚的に確認できる。ポーゲンポール氏は、この広告に関するメトリックスを一切共有しようとしなかったが、自分がSnapchatから受けた滞留時間の報告は「励みになる」もので、期待を超えるものだったと述べた。

アプリには踏み込まない



広告業者たちは、イケア(Ikea)のような小売業者に追随して専用アプリを作るより、SnapchatやFacebookのようなプラットフォームでのAR体験を優先させようとしている。ポーゲンポール氏は、BMWはアプリの「大ファン」ではない、という。「そのルートをたどるなら、人々にアプリをダウンロードさせて定期的に使わせるというハードルを越えなければならない」。

Seb Joseph(原文 / 訳:ガリレオ)
Image courtesy of bmw.com