プログラマティックメディアの世界では、オーディエンスがどこにいようと広告主が彼らを追いかけるため、コンテクストが見失われがちである。

今年1年中話題にされた、アドフラウドやその他の好ましくない商習慣が引き金となって、広告主のあいだでブランドセーフティに対する懸念が高まっている。そのため広告主は、ゆっくりではあるが確実に、リーチやオーディエンスだけを考慮したターゲティングではなく、その環境のコンテクストを重視するようになってきた。

4つのチャートで、質の高い環境下で掲載される広告に対する、消費者の現在の考え方について目を向けたい。

プレミアムパブリッシャーにとって明るい兆し



動画広告ベンダー、インスキンメディア(InSkin Media)の最近の報告によると、サイト上でパブリッシャー自身のブランディングを確認できる場合、そこに掲載される広告は好意的に視聴される可能性が非常に高かった。イギリスで合計4370人に対してパブリッシャーのブランディングがはっきりと示されたプレミアムサイトと、同じサイトだがパブリッシャーのロゴが消されたものを見せた。その結果、パブリッシャーのロゴがあるサイトに表示された広告は、パブリッシャーのブランディングのないサイトで表示された広告と比べて、広告主に対する考慮が60%増加した。



パブリッシャーサイトを定期的に訪問する読者のあいだでは、パブリッシャーのブランディングのないサイトで広告を目にした人たちよりも広告主に対する考慮が152%高くなった。

インスキンメディアのチーフ・コマーシャル・オフィサー、スティーブ・ドイル氏は、「サイト訪問者とパブリッシャーの関係が、そのパブリッシャーが掲載する広告の有効性を高めるという点に関して触媒効果を持つのかもしれない。オンラインパブリッシャーが読者エクスペリエンスにさらに配慮をすれば、その広告はより効果的になり、より選択的な広告を掲載しながら収益を最適化することができるだろう」と語った。

プレミアム環境下の広告は記憶に残りやすい



インスキンメディアは、質の高いパブリッシング環境の効果を理解するために脳のパターンを研究した。プレミアムパブリッシャーサイト上で展開されるエディトリアルコンテンツは、ソーシャルメディアプラットフォーム上で展開されるものよりも、右脳(イメージ系)の記憶に19%も大きく影響を与えていることが明らかになった。



左脳(言語系)の記憶にもプレミアムエディトリアルコンテンツは、8%も大きく効果を与えていた。対照的に、ソーシャルフィードのコンテンツは、プレミアムパブリッシャーサイトよりも記憶への効果が小さいことが判明した。この報告によると、プレミアムエディトリアルコンテンツは脳の両側に働きかけることで、その範囲内で、幅広い種類の動画広告クリエイティブを効果的に機能させることを可能にしているという。

ブランドセーフティは予想よりも複雑



インスキンメディアの報告によれば、記事が肯定的、否定的を問わず、エディトリアルコンテンツが広告に効果を与えることを示唆する体系的なパターンは見られないとのことだ。その報告のなかで実施された実験では、たとえば、肥満に関する記事の横に食品広告が表示されていたとしても、ブランドメトリクスにまったく影響しないことが示された。また、極端な例では、広告に肯定的で類似したテーマを持つ記事でもネガティブなブランド連想を生み出す可能性もある。



「ブランドセーフティは広報活動の問題であることはわかっているが、それが実際に読者のブランドに対する認知と行動に、どう影響を与えているのか。これについては、いまだ未知の領域のため、マーケターが有意義で効果的なブランドセーフティの方策を考案できるように、この領域についてさらなる研究が必要であることは間違いない」と、ドイル氏は述べた。

ユーザーの関心はコンテクストと同様に重要



当然のことながら、人が広告を長く視聴するほど、その後の購入に繋がる可能性が高くなる。マーケティングおよび広告リサーチ会社のルーメン(Lumen)の調査報告によると、ユーザーが広告を視聴した時間とそれに続くコンバージョン数には直接の相関があることが示されている。この調査報告によれば、2.5分から3分間視聴された広告は、1000インプレッションあたりのコンバージョン数がもっとも高くなったということだ。



Jessica Davies(原文 / 訳:Conyac)