「陸王」のアッパー素材探しに大地(山崎賢人)が奔走するも、追い打ちをかけるようにシルクレイ製造機が故障。坂本(風間俊介)から宮沢(役所広司)への「会社を売りませんか?」との衝撃的な一言に、大きな緊張が走った日曜劇場『陸王』(TBS系)。12月10日放送の第8話では、「こはぜ屋」一同が「チーム陸王」として行田市民駅伝大会に参加し、絆の強さを再確認。そして満を持して登場したフェリックス社長・御園(松岡修造)の画策に、宮沢がその手を握るまでが描かれた。

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 「買収といえば聞こえは悪いが、また陸王や足軽大将をつくれるし、従業員の雇用も安定します」と買収の話を持ちかける坂本を「こはぜ屋を他人に渡すくらいなら、元の足袋屋に戻った方がましだ」と一蹴する宮沢。これを聞いた「こはぜ屋」一同も、あけみ(阿川佐和子)を筆頭に坂本にはゲンナリだ。藁をもつかむ思いで資金繰りに奔走する一同、そしてついに出る赤字。宮沢は茂木(竹内涼真)のもとへ行き、「すみません」と言葉を絞り出す。茂木は「いつまで走れるか分りませんけど、またこはぜ屋さんのつくったシューズで走れることを楽しみにしています」と返す。宮沢のもとへやってきた監督の城戸(音尾琢真)は「あいつらは走ることが生きることなんだよ。そんなあいつらのこと、あんたほんとに分かってたのか」と口にする。

 夜になりいつもの飲み屋に数人のメンバーを集めた宮沢は、「こはぜ屋」にかねてから出入りし立派な陸王メンバーのひとり、江幡(天野義久)の提案である駅伝大会への出場を決意する。「ほんのわずかでも陸王がみんなの目に留まって、選手の気持ちも分かるかもしれないし」との宮沢の言葉に、一同は小さな盛り上がりを見せる。

 さっそく始まる「チーム陸王」のトレーニング。ストレッチ、もも上げ、たすき渡しと、励む姿が微笑ましい。しかし大会当日、安田(内村遥)が走れないほどの怪我を負っていることが発覚する。棄権を覚悟した一同のもとへ、まさかの坂本が登場し「僕に走らせてもらえませんか」と名乗り出る。選手変更が認められるのは補欠登録した人だけだということだが、安田は坂本のことも選手登録していた。

 「みんなチーム陸王じゃないですか――」(安田)。江幡の快調な走りに続き、美咲(吉谷彩子)、あけみと、たすきは渡っていく。「こはぜ屋」の事務所では、ネット配信された大会の模様を、飯山(寺尾聰)、富島(志賀廣太郎)が思わずはしゃぎながら見守る。飯山から「酸欠のアヒルみたいな走りだな」と評された坂本だが、江幡いわく「陸王の開発が始まってから、ひとり走り始めていた」という。坂本からたすきを受けた宮沢だが、走ることができなくなった他の選手に声をかけ、おぶっていく。その姿に「間違ってない」「あれでこそ社長だ」と一同は声を揃え、アンカーの大地の快走に、飯山も富島もパソコンの画面越しにエールを送る。互いに健闘をたたえ合う、「こはぜ屋」みんなの顔は輝いていた。

 みんなの笑顔を見た宮沢は「やっぱり陸王をこのまま終わらせたくない」と、ついに御園社長と会う決意をする。御園が口にした「買収に応じれば、すぐにでも3億出す準備をしている」との言葉、そして「我々が手を組めば、アトランティスに匹敵、いや、それ以上になれる」との言葉に、差し出された手を握り締めた宮沢。いよいよクライマックスに突入する本作であるが、御園の「あとひと押しだな」というセリフに、まだまだ波乱の展開を予感させる。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

(折田侑駿)