銅在庫が増加に転じて相場が急落!中国経済に変調?

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中国では今年10月に共産党大会が行われましたが、ほぼ同時期に中国経済と関係が深い銅相場が高値を付けていました。銅は発電、建築、自動車など用途が多岐にわたることから、産業用金属(ベースメタル)と呼ばれています。中国は世界の銅需要の4割を占める銅の世界最大の消費国ですので、銅相場には中国経済の動向が反映されていると考えることもできそうです。

図はロンドン金属取引所(LME)の銅の3ヵ月先物の推移(ドル/トン、日足)ですが、12月5日に大きく下落しました。LME指定倉庫在庫量が増加に転じたことが下落の要因と考えられます。5日時点の銅の在庫量は19万2550トンでした。9月の価格低迷期には30万トンを超えていましたので、在庫の水準としては高くは無いのですが、減少基調にあった在庫が増加に転じたことが嫌気されたものと見られます。直近では在庫の増加と減少は数カ月周期で発生していますので銅相場はしばらく弱含むものと思われます。

銅の在庫が増えたのは中国での消費が減ったためと考えることができそうです。中国では10月に5年に1度の共産党大会を行いました。中国では共産党大会のお膳立てをするために景気対策の公共投資を活発化させていたのかもしれません。共産党大会が無事に終わったことで、経済政策よりも政治的な引き締めや安全保障を重視する政策を優先していく方針に舵を切ったのかもしれません。

なお、日本国内から銅相場への投資は限られていますが、eワラントには銅相場を対象とするプラス5倍トラッカーとマイナス3倍トラッカーという銘柄があり、個人でも銅相場に投資できます。銅相場の下落基調が続くと見るのであればマイナス3倍トラッカーを選択し、銅の在庫増加が止まった場合にはプラス5倍トラッカーを選択するのも一手でしょう。

(eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎)

※本稿は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。