電動式シートで1歳児が圧迫死(画像は『kokomoperspective.com 2017年12月7日付「Khloe Chanel Villarreal」』のスクリーンショット)

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今時の新車は何でも電動式。指一本であらゆる操作ができてしまう。しかし窓から顔を出して外を眺めている幼い子が誤ってパワーウィンドウのスイッチに触れ、首を挟まれて死亡する事故が洋の東西を問わず時おり起きている。また運転席や助手席の者がやや離れた所の何かをボタンひとつで操作する場合も、目視で安全を確認することを怠ってはならない。電動式で重いものを動かす以上そこには大変なパワーが働いているのだ。米インディアナ州から悲劇的な事故のニュースが伝えられた。

インディアナ州グラント郡のスウェイジーで3日午後、SUV車に家族とともに乗っていた1歳女児が折りたたまれた電動式シートに全身をはさまれて死亡する事故が起きた。州メディア『RTV6 TheIndyChannel』などが伝えたところによれば、死亡したのはハワード郡コーコモーに暮らすセルジオ・ヴィラーレアルさんの1歳8か月の娘クロエ・ヴィラーレアルちゃん。その座席を折りたたむ操作を行ったのはクロエちゃんの母親イヴェット・ゴンザレス・ヴィラーレアルさんであった。一瞬の判断ミスにより最愛のわが子を死なせてしまったことを深く反省し落胆しているため、警察もこの母親に対する訴追が必要か否かを慎重に検討している。

車はフォード・モーターの高級車部門“リンカーン”の大型SUV「リンカーン・ナビゲーター(Lincoln Navigator)」で、米国における新車価格は日本円にして約720〜860万円という高級車である。夫妻はこの日、親類の引越しに協力するため荷物をたくさん積めるようにと3列目のシートを折りたたむことにしたが、この親切な気持ちが裏目に出てしまった。3列目シートはトランク側から座席背面のボタンで操作を行う電動折りたたみ式で、その席に横たわって眠っていたクロエちゃんはイヴェットさんからはまったく見えなかったという。

クロエちゃんがいないと騒ぎになったのは車をしばらく走らせた後で、3列目のシートを広げるとぐったりとして呼吸をしていないクロエちゃんが現れた。せめて背もたれを倒すだけでも手動で行われていたらこのような事故は起きなかったであろう。近年の車は電動による各種操作がますます充実していくが、その分幼い子の動きに注意しなければならない。

末の娘として誕生し、兄たちからとても可愛がられたというクロエちゃん。この屈託のない無垢な笑顔を見ることが出来なくなり、一家の悲しみはあまりにも深いもようだ。

画像は『kokomoperspective.com 2017年12月7日付「Khloe Chanel Villarreal」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)