東福岡高校ラグビー部 藤田雄一郎監督(写真:日刊スポーツ/アフロ)

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TBS「バース・デイ」(9日放送分)では、「日本一の高校ラグビー部 監督の独特な指導法とは・・・」と題し、高校スポーツ界最強といわれ、ここ10年で6度の全国制覇を達成した東福岡高校ラグビー部に密着した様子を伝えた。

同ラグビー部を率いる藤田雄一郎監督(45)は、選手達に猛練習を課すのではなく、細かく時間ごとに分けた練習メニューをタイマーで管理。決められた時間内で行い、ミスがあってもやり直しなどはせず、時間がくれば否応なしに次のメニューへ。はやい時には1時間程度で練習が終わることもあるという。

番組のカメラにその意図を語った藤田監督は、「それって自分が気持ちいいだけで、試合のやり直しはないんで」と切り出すと、「ラグビー、バスケ、サッカー、アメフトしかり。時間をどう使っていくかっていうのが1つの大きな戦術だと思う。時間にルーズだったらタイムスポーツはできないと思う」と持論を展開した。

だが、そんな藤田監督も就任当時は試行錯誤を続けていたという。もともと同校は谷崎重幸監督が指揮をとっており、2009年から全国3連覇の偉業を達成。1998年に保健体育の教員として母校に戻り、ラグビー部のコーチを務めていた藤田監督が谷崎監督から後継者に指名されたのは、その直後だった。

とてつもないプレッシャーの中で迎えた監督就任1年目の全国高校ラグビーでは準々決勝敗退。春の選抜では予選リーグで敗れてしまった。だが、就任3年目の時、生徒に課していた猛練習の効果に疑問を抱き始めた藤田監督は、「100mモールとか1時間やってた。スクラムとかラインアウトとか2時間やってた時がある。選手に『今日の練習だらけてない?』とか『やる気ないんじゃない?』っていう反面、自分がそうさせてるっていうのを段々気付きだした」とタイムマネジメントを取り入れたという。

その他にも、カルロス・ゴーンを始めとした様々なリーダー論を学び、チーム作りに反映した藤田監督は、2014年に主要全国大会全てで優勝し、高校三冠を達成。11月11日の県予選決勝では、小倉高校に94-0で圧勝、課題のディフェンス面でも成果をあげ、18年連続の花園出場を決めた。同監督は「連覇の可能性があるのは東福岡しかないですから、これは狙っていかないことには選手にとって失礼」と連覇を誓った。