浦和サポ300人、クラブW杯初戦敗退に沈黙 「レアルと戦う姿を見せたかった」と選手謝罪

写真拡大 (全2枚)

UAEのアルジャジーラに0-1敗戦、準決勝レアルへの挑戦権を失う

 浦和レッズは現地時間9日に行われたFIFAクラブワールドカップ初戦で、開催国代表のアルジャジーラ(UAE)に0-1で敗れて5位決定戦に回ることになった。

 約300人の浦和サポーターがUAE入りして声援を送ったが、敗戦後には挨拶に来た選手たちに対して沈黙。選手たちは「申し訳ない」との言葉を並べた。

 UAE在住でエティハド航空のキャビンアテンダントを務める久野あすみさんによれば、試合前日の8日夕方に成田空港を出発する便は、浦和が出場権を獲得すると即座に100件近い予約が入り、すぐに満席になったという。

 その前後にドバイ入りする便なども含めて、日本からは約300人のサポーターが集結し、浦和の勝利を信じて声援を送った。フル出場したFW武藤雄樹も「アウェーの雰囲気はどれほどないというか、浦和サポーターの声しか聞こえていなかった」というほどの声援を送ったが、チームはボールを保持しながらカウンターで沈むという悪癖を露呈し、0-1で敗れることになった。

 普段から厳しい結果に終わった試合では、拍手をせずブーイングすることもある浦和サポーターは、UAEの地でもスタイルを変えなかった。試合後に挨拶に訪れた選手たちを前に、沈黙のノーリアクションを返し、横断幕の片づけを始めていた。

「ブーイングされても当たり前の結果」

 試合後の選手たちは、一様に駆けつけたサポーターへの謝罪の思いを口にした。

「たくさんの方がやっぱり足を運んでくれて、時間とお金を使って自分たちにパワーを費やしてくれて、もちろんサポーターの方ももう一つ上のステージ、レアル・マドリードとやるというところを目指して応援してくれていたと思うので、サポーターの方に本当に申し訳ないですし、ブーイングされても当たり前の結果かなと思います」(GK西川周作)

「来てくれたサポーターの数に本当に驚いたし、声援も凄かった。勝利を届けられなかった。レアル・マドリードと戦う姿を見せたかった。ただただ、申し訳ないです」(DF遠藤航)

「この結果は、本当に申し訳ないという気持ちしか浮かんでこないです。5位決定戦は不本意かもしれないけど、応援してくれるサポーターに勝利を見せたい」(FW武藤雄樹)

サポーターの方に勝つ姿を見せたかったので、申し訳ない気持ちでいっぱいです」(MF矢島慎也)

 前述の久野さんによると、日本に帰るための航空券で最も予約が入ったのは、準決勝でレアル・マドリードと対戦した場合の翌日に、現地を出発する便だったという。浦和が回る5位決定戦は、夢に終わったレアル戦の前日。滞在しているサポーターに勝利を届けるために、選手たちは気持ちを切り替えるしかない。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

【動画】「アルジャジーラvs浦和」ハイライト(動画期限:2018年1月9日)

「アルジャジーラvs浦和」ハイライト(動画期限:2018年1月9日)