グランプリ(GP)ファイナル最終日は9日、女子フリーが行なわれ、6選手全員が合計200点超えとなるハイレベルな戦いが繰り広げられた。

 ショートプログラム(SP)3位の宮原知子はジャンプの回転不足が目立って得点が伸びず、フリーで138.88点の4位となり、合計213.49点で総合5位にとどまった。SP5位の樋口新葉もジャンプでミスを連発してフリーで128.85点の6位に沈み、合計202.11点で総合6位の最下位に終わる。日本勢としては3年ぶりにメダルを逃す結果になった。

 優勝したのはアリーナ・ザギトワ(ロシア)。今季シニアデビューしたばかりながら快進撃を続ける15歳は、世界歴代4位の合計223.30点で初優勝を成し遂げた。基礎点が1.1倍になるプログラム後半にジャンプを全て組み込む高難度の構成で、ミスも最小限に抑え、76.61点をマークした技術点で他を圧倒した。これにより、ロシア勢はこの大会で4連覇となる。


GPファイナルのフリーでは4位、総合では5位に終わった宮原知子

 世界女王エフゲニア・メドベデワの負傷欠場により、急遽、繰り上がり出場となった宮原。3連覇した昨年末の全日本選手権後、左足股関節の疲労骨折と診断されて長期休養を余儀なくされたが、今季はGP第4戦のNHK杯で11カ月ぶりの競技会復帰を果たし、2戦目のスケートアメリカで優勝。順調に復帰シーズンを戦って、「まさか出場できるとは思ってもいなかった」というファイナルの舞台まで戻ってきた。

 SPで自己ベストに迫る74.61点を出して、首位と2.43点差で迎えたフリーだったが、まだ復調途上のジャンプで回転不足を3つも取られてしまった。緊張して体がこわばると、ジャンプの高さが思うように出ず、回転不足となる課題が出たようだ。

「勝ちたいという気持ちはまったくなくて、ノーミスしたいという気持ちが強かったです。しっかりノーミスできれば、どこまでいくか楽しみでした」

 そんなちょっとした”欲”が緊張を生んでしまったようだ。プログラム前半の3回転ルッツ+3回転トーループの連続ジャンプでは2つとも回転不足と判定され、10.30点となるはずの基礎点が7.20点となり、さらにそこから出来栄え点(GOE)で1.40点を減点された。続く3回転フリップも回転不足で、本来の基礎点5.30点が3.70点となり、GOEもマイナス0.80点をつけられた。

 しかし、ここから「ミス・パーフェクト」は全日本選手権3連覇の底力を発揮する。その後はしっかりと立て直し、スピンとステップで最高のレベル4をそろえ、クリーンに跳んだジャンプではGOEの加点が1点以上もついた。また、演技構成点では5項目中3項目で9点台を出して、6人中3番目となる71.88点だった。

「ジャンプはダメだなと思うものが何個かあったので悔しいですけど、それが事実なので仕方がないです。スケートアメリカより少し緊張してしまいました。それでも、大きなミスがなくてよかったです。フリーもSPみたいに落ち着いてやれば点数は出ると思うので、そこまで心配しなくてもいいと思いました。

 出られると思わなかったファイナルでここまで調子が戻るとは考えていなかった。(復活スケジュールが)計画以上に進んでいるので、ここで悔しい思いができてよかったと思います」

「たられば」は意味がないかもしれないが、今回のフリーでジャンプの回転不足がなく、GOEでも減点がつかなかったとすれば、単純に6.90点が得点に上積みできることになる。そうするとフリーは145.78点の2位となり、合計も220.39点で3年連続銀メダルを獲得できていたのだ。これらの得点はいずれも自己ベストに相当するだけに、3つの回転不足を出して取りこぼしたことは悔やまれる。

 それでも、GPシリーズの成績上位6人が争う舞台で互角の戦いができたことは大きな収穫であり、平昌五輪の最終代表選考会となる全日本選手権に向けて弾みとなったはずだ。2枠を争う代表レースでは、かなりのアドバンテージを得たと言ってもいいだろう。

「今回、あらためていろいろな課題が見つかり、全日本に向けてもう一度考え直す大会でした。今後、まずは体をしっかり休めてから、ジャンプの練習をしっかりして(次戦では)もっと元気に戻ってきたいです」

 結果は5位だったが、試合後のはればれとした表情を見れば、宮原が自信と手応えをしっかりと掴んだ大会になったことがわかった。

 一方、SP5位から巻き返しを狙った樋口は、得点源となるジャンプで回転が抜けたり、着氷が乱れたりと、精彩を欠いた。連続3回転ジャンプのルッツ+トーループは0.80点のGOE加点がついたが、中盤の3回転のサルコウとルッツがともに2回転になったほか、SPでも取られたフリップジャンプの軽度なエッジ違反も出てしまった。

「う〜ん、すごく悔しいです。6分間練習から体の調子がよくて、ジャンプもよく跳んでいたんですけど、緊張して体が思うように動かなかったです。ジャンプのミスもあったり、ステップもスピードが足りなかったりで、今日の演技はいっぱい、いっぱいになってしまいました。(全日本に向けて)これ以上、自信をなくさないような練習をしたいです」

 勝負の全日本選手権では「自分の演技を思い切り出す」と誓った。樋口は、それができれば、念願の五輪代表切符を掴めると信じている。

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