凸版印刷と寿技研(埼玉県八潮市、高山成一郎社長)は、医師や医学生が手術の練習に使う「模擬臓器」を食品原料を使って共同開発した。柔らかさや感触が本物の臓器に近く、肝臓や胃などさまざまな臓器の形状や病態などを再現できる。価格は再現する臓器の形状・病態などによって異なる。両社は大学や医療機器メーカー向けに今月中旬に販売を開始し、2020年に年間約5億円の売り上げを目指す。

 寿技研が開発した植物性食品を原料とする新素材と、凸版印刷が持つ医療分野に関する技術やノウハウを組み合わせた。手術に使う「電気メス」や「超音波メス」といった道具を使っても実際の臓器に近い挙動を再現できるため、実践に即した練習が可能になる。

 また植物性食品を原料としているため使用後の廃棄が容易なほか、常温で長期保存できる。

 手術の練習には一般的に、動物の皮膚や臓器、シリコン樹脂が使われる。だが動物の皮膚や臓器は動物保護意識の高まりから使用が難しくなりつつあるという。また動物特有の臭気があるほか、廃棄処理が煩雑だった。