愛人業は「疑似恋愛ビジネス」。マーケティングを間違うと1円も儲けられないのはどの職業でも同じことである

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 こんにちは。東條才子と申します。見た目はごくごく普通のアラサーOLですが、4〜5名のお金持ちから経済的な支援を受け、いわゆる「愛人」をしております。

 今回は、私がマーケティング対象とする男性との関係において、いかに巷の恋愛テクニックが無効かをお話いたしましょう。

◆ 他の男性の存在は「絶対に」バラさない

 愛人をビジネスとして行っている旨をお伝えすると、必ず聞かれるのが、「男性同士は、あなたに他の愛人がいることを知っているの?」という事でございます。

 そんな初歩的な内容をお尋ねになる方がいらっしゃるとは思ってもみなかったのですが、結論から申し上げますと、私が他の男性の影をちらつかせることは、「絶対に」ございません。

 順を追ってご説明いたしましょう。

 以前も申し上げましたように、私はいわゆる「雰囲気美人」(化粧等のテクニックで何とか「美人」に見せているタイプ)で、年齢は30代、職業もただのOLですから、愛人ピラミッドの中間層にいる立場です。

 おさらいしておきますと、愛人市場は「男性の年収と女性のスペック(容姿や職業)」によって、見事なまでのピラミッド構造をなしているのでした(第8回参照)。

 最上位クラスの取引では、動く額もケタ違い。銀座の一流ホステスが、業界の有力者にエルメスのバーキンを駄菓子感覚で買ってもらうとか、リタイアした資産家が毎月100万円ずつ愛人に分配しているなど、聞いて驚くようなお話ばかりです。

そのちょっと下クラス(私のいる層ですね)になりますと、女性側は男性1人につき、最高で月50万円程度の粗利を得るようなタイプが増えてきます。

 この層の男性は、年収も最上位クラスよりは半減するのでして、愛人に支払える額も半分〜三分の一になります。つまり、私がマーケティングターゲットとする顧客は、企業規模でたとえますと「大企業」ではなく「中小企業レベル」になるんですね。

◆年収が2000万円あっても「男として不安」

 中小企業レベルの方々は、日々のキャッシュフローを回すことにお忙しいものです。

 複数の愛人を抱える余裕など、ございません。複数抱える場合でも、毎月30万円を3人の愛人に10万円ずつ分配するなど、「小口のお取引」をしてリスクを分散させる手堅いタイプです。

 が、彼らはどこかで、「日々苦労している自分を癒してくれる『最高の愛人』が見つかれば、1人につき10万円ではなく『30万円』まるごと使ってもいい」という潜在ニーズを抱えています。

 彼らは、最上位クラスの方に比べますと、「俺がピラミッドの上位だ!」とは思えていないところがあるんですね。年収が2000万円あっても、男として不安という方もいらっしゃいます。そんな不安を癒してほしいというのが、中間層に存在する「潜在ニーズ」(のひとつ)なのでございます。

 勘のいい方はもうお気づきかもしれませんが、そんな中間層の男性に対して、最も有効なマーケティング手法は、巷に溢れる「小悪魔的な恋愛テクニック」ではありません。

 いわゆる「焦らし(LINEの返信をもったいぶって自分の価値を上げる)」や、「会話の中で他の男性の影をちらつかせ、嫉妬させる」などのテクニックですね。

 そんな顧客対応をすれば、年収等にコンプレックスを抱く中間層のお客様は、「俺じゃなくてもいいんだろ」とご立腹なさるか、「若い美女と付き合えるのは、俺なんかよりもっと金持ちの奴らなんだろうな」と肩を落とし、愛人の元を去っていくかのいずれかです。

 焦らしテクニックを駆使したがために、大切な営業先を逃してしまった……そんな愛人女性を、私は何人も知っています。彼女たちはマーケティング手法を誤ったのですね。

 中間層の男性たちに、思ったほどの余裕はございません。

 管理職として日夜問わず働く方も多い上、40代〜50代ですと、土日は家族サービスに忙しい方も目立ちます。

 よって彼らに私が「優良な取引先」であると認められ、月に15万円でも30万円でも、お客様の割けるリソースをすべて1社(私)に差し向けていただくためには、七面倒くさい「焦らしテク」や「嫉妬させる」のではなく、直球的な癒しのアプローチが効果的なのです。

 次回はその具体例についてお話しいたしましょう。

<文・東條才子>