なぜハリルJは北朝鮮に追い込まれたのか? その背景に平壌での”地獄トレーニング”あり

写真拡大

シュート数や決定機数で日本を上回った北朝鮮 アンデルセン監督も評価「支配できた」

 北朝鮮代表は9日にE-1選手権初戦で日本代表と対戦し、後半アディショナルタイム3分にMF井手口陽介(ガンバ大阪)のミドルシュートで0-1と敗れた。

 チームを率いたノルウェー人のヨルン・アンデルセン監督は不運な展開を嘆きつつも、「試合の大部分を支配できた」と手ごたえを口にした。日本を苦しめた北朝鮮だが、その背景には北朝鮮国内での“地獄のトレーニング”があったという。

 試合は序盤こそFIFAランク55位の日本がボールを支配し、同114位の北朝鮮陣内へと攻め込む時間が続いた。しかし、徐々に北朝鮮が鋭いカウンターや巧みなパス回しで打開し始めると、何度も日本のゴールを脅かす。この日A代表デビューを飾ったGK中村航輔がビッグセーブを連発し、日本は辛うじてピンチをしのぎ続けた。いつゴールが生まれても不思議ではない展開だっただけに、アンデルセン監督が「不運だった」と敗戦に肩を落としたのも頷ける。

 シュート数は日本の7本に対して、北朝鮮は12本。決定機の数も北朝鮮が上回り、ホームで戦うハリルジャパンを凌駕する勢いを見せつけた。敵将は「俊敏に動き回り、すぐに切り替え、運動量も多かった。素晴らしい寄せでボールを奪うこともできた」と分析し、北朝鮮の選手たちが見せた働きを高く評価している。

 味の素スタジアムで体現したハイパフォーマンスの裏側には、国内で積み重ねた相当量のトレーニングがあったと指揮官は明かす。

北朝鮮でのトレーニング事情とは?

 試合後の記者会見で「非常に厳しいトレーニングを積んでいる」と口にしたアンデルセン監督は、北朝鮮でのトレーニング事情を語った。

「平日は毎日二回トレーニングする契約を結んでいる。フィジカル、走り込み、戦術も徹底している。週末はクラブに戻ってプレーをする。かなりのトレーニングを積んでいる」

 代表チームで二部練習を敢行して個々の能力と組織力の底上げを図るとともに、週末はクラブチームでさらに追い込むなど、着実に強化を続けてきたという。その成果の一端が日本戦で垣間見える形となったが、それだけに「最後の最後で1点取られた。精神的に厳しい」と本音を漏らしている。

 北朝鮮は実に25年ぶりに外国籍監督を招聘し、2016年5月にアンデルセン体制が発足。平壌を拠点にトレーニングを積んできたという代表チームは、国内組の日本と互角の攻防を見せるなど、その成長ぶりを見せつけている。

【了】

大木 勇●文 text by Isamu Oki(Football ZONE web編集部)

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images