陰口を叩く女性部下を「手なずける」には

写真拡大

プレジデント誌の好評連載「悩み事の出口」。ライフネット生命保険の創業者・出口治明さんが、読者の悩みにズバリこたえます。今回のお題は「陰口を叩く女性部下を手なずけるには」。出口さんは「仕事に男女の区別はありません」とズバリ回答します――。

■女性に人気のないマネジャーは男性にも人気がない

「女性部下」を「手なずけられない」と言っている時点でアウトです。

仕事に男女の区別はありません。違うのは個人の能力だけ。上司のあなたは、Aさんはこういう能力があるからこういう仕事を頼む、Bさんはこういう能力があるからこういう仕事を頼むというように、対応することが基本です。

──私の周りで、「女性の気持ちがわからず悩んでいる」という話をよく聞くんです。出口さんがご覧になっていて、女性に人気のある男性マネジャーの共通点は何かありますか。

女性に人気のあるマネジャーの多くは、男性にも人気があります。一方で、女性に人気のないマネジャーは男性にも人気がない。ただ、男性のほうが面従腹背するのが上手いのでわかりづらいだけです。

──女性は喜怒哀楽がすぐに表情に出るから、男性には「扱いにくい」と感じるのでしょうか。

日本の男性は上下関係のある環境で長い間揉まれていることが多いので、「こういうときはニコニコ笑ってスルーしたほうがいい」と考えやすい。ですから男性の感情は表情から読み解きづらいといわれているのです。

でもグローバルなマネジメントの本には、「女性の部下はこう使え」「男性の部下はこう使え」などとはどこにもありません。

──日本人が書くマネジメントの本には、時々書いてありますよね。

はい。子どもに向けたような本が山ほどあります。それは日本女性の社会的地位が、世界144カ国中111位(世界経済フォーラムの2016年版「ジェンダー・ギャップ指数」より)と驚くほど低いため、男性上司が女性部下のマネジメントに慣れていないからです。

「女性は上手に、丁寧に扱わないと怖いぞ」といったおかしな社会常識は捨てましょう。

──意識している時点で、マネジャーとして失格ということですね。

はい。男性も女性も、年齢も性別も肌の色も関係なく、みんな同じ部下です。そのうえでマネジャーとしてやるべきことをやればいい。

指示は明確か、フォローはきちんとできているか、適材適所で能力に合った仕事を配分しているか。凹んでいる暇があったら、もう一度「マネジメントとは何か」を勉強してください。

──出口さんは、女性と男性を分けて接することはないんですか。

エレベーターに乗るときに、「レディファーストでどうぞ」とボタンを押して女性を先に通すくらいです。

レディファーストというのは国際標準のマナーであり、別に差別しているわけではありませんから。男性の長所は、筋力が強いことくらいです。

Answer:男女を分ける時点でアウト。マネジメントの本質を勉強し直してください

----------

出口治明(でぐち・はるあき)
ライフネット生命保険会長
1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長、国際業務部長などを経て2013年より現職。
 

----------

(ライフネット生命保険 創業者 出口 治明 構成=八村晃代 撮影=市来朋久)