劇的な決勝点を決めたMF井手口陽介にFW川又堅碁が抱きつく

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[12.9 E-1選手権 日本1-0北朝鮮 味スタ]

 だれもがスコアレスドローを覚悟した後半アディショナルタイム5分、21歳の若武者が劇的な決勝点を叩き込んだ。中盤でのボール奪取からカウンターを仕掛けると、MF阿部浩之が左サイドに展開。FW川又堅碁のクロスをファーサイドのMF今野泰幸が頭で落とし、走り込んだMF井手口陽介(G大阪)が強烈な右足ボレーをゴールネットに突き刺した。

「最後だったし、コンさん(今野)がボールを落としてくれて、ふかさないことだけを意識して蹴った」。カウンターになった瞬間は「(今野と)ボランチ2枚が上がっていったから止めようかなと思った」と言うが、「最後だからいいかなと思って、上がったのが結果的に良かった」と、ダブルボランチ2人の果敢な攻め上がりが劇的勝利につながった。

 G大阪のチームメイトでもある今野とのダブルボランチに「2人とも動くタイプなので、真ん中だけは空けないようにということは話しながらやった。それ以外、やりづらいとかはなかった」と阿吽の呼吸でプレー。前半17分にも積極的にミドルシュートを打ったが、「前半から相手は引いてきていた。チャンスがあれば打とうと心の中で思っていた。それが最後に来て、決められたので良かった」と胸を張った。

 W杯出場を決めた8月31日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(2-0)以来となる国際Aマッチ2ゴール目。「最後だったし、しかも最初(の試合に)勝てればデカいと思っていた。それに関しても良かった」と、チームを白星発進に導く一撃を素直に喜んだ。

 ミックスゾーンで大勢の報道陣に囲まれていると、後ろを通った阿部に「うわ、ヒーローおる」と笑顔で声をかけられた。国際Aマッチ出場9試合目の21歳ながら、最終予選終盤からレギュラーに定着した井手口が攻守で貫録の存在感を発揮。「ボールを取ったとき、後ろに下げずに、裏に出したり前に付けたりして自分も上がっていく。守備からの攻撃参加というのはこの大会を通してしっかりやっていきたい」と、成長速度を加速させるべく、さらなる高みを見据えている。

(取材・文 西山紘平)


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