決勝点を決め、満面の笑みを浮かべた井手口。試合後のミックスゾーンでは課題を口にしつつ、得点シーンを振り返った。 写真●山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[E-1選手権]日本 1-0 北朝鮮/12月9日/味スタ
 
 4年ぶりの東アジア制覇に向けて、ハリルジャパンが白星発進した。

 
 下馬評で格下と見られていた北朝鮮に幾度となく攻め込まれ、苦戦を強いられた日本代表を土壇場で救ったのは、“浪速の銀狼”井手口陽介だった。
 
 試合終了間際の90+3分、左サイドに開いた川又堅碁のクロスボールを、ファーサイドで今野泰幸が落とし、待ち構えていた井手口が右足を振り抜いて決勝点を叩き込んだのだ。
 
 ハリルジャパンを救った若きヒーローは、「とにかく最後やったし、ホントに良いボールを今さん(今野)が落としてくれたので、躊躇なくいけました」とゴールシーンを振り返る。
 
 絶好のアシストをくれた今野はガンバ大阪でもボランチコンビを組み、プレースタイルを熟知してくれている先輩だ。“後輩”井手口は、「あんまりデカい声は出していなかったけど…」と話し、さらに続けた。
 
「やっぱ出してくれる。(得点シーンは)ボランチが2枚とも上がっちゃう感じだったのでやめようかなとも思ったんすけど、『最後やからいいかな』と思っていった。前半から相手は引いてきていて、チャンスがあれば打とうと心の中でずっと思ってましたし、それが最後にきてよかった」
 
「もっと、もっと捌けたら良かったかな」と自身を評価した井手口は、「最後みたいに(ボックス内に)入れて、2列目から飛び出して、また裏っていう形は監督からも指示されてましたし、練習でもやってきてた。あれが最初からできれば楽になってた」と課題を口にしてもいる。
 
 それでもインタビュー中に後ろを通りすがるチームメイトたちから、「うわ! ヒーローおる」「持ってかれたなぁ〜」と声をかけられ、照れ笑いを浮かべた井手口。12月12日の中国戦に向けては、「これから分析します」と話し、「監督からもアピールの部分は言われてますけど、個人というよりはチームとして優勝できれば、全員のアピールにつながると思う。優勝して終わりたい」と結んだ。
 
 ヒーローとなって、優勝宣言まで口にした21歳の俊英の存在は、実に頼もしい。
 
取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)