朝鮮半島有事の際、北朝鮮指導部の「斬首作戦」を担当する韓国軍の「特殊任務旅団」について韓国紙は「装備がお粗末でよちよち歩きの水準」と指摘。「斬首どころか(部隊が)みんな死にかねない」と酷評している。写真は北朝鮮・平壌。

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2017年12月9日、朝鮮半島有事の際、金正恩・朝鮮労働党委員長ら北朝鮮指導部の「斬首作戦」を担当する韓国軍の「特殊任務旅団」が1日、創設された。同旅団について韓国紙は「装備がお粗末でよちよち歩きの水準」と指摘。「斬首どころか(部隊が)みんな死にかねない」と酷評している。

聯合ニュースなどによると、特殊任務旅団は朝鮮半島情勢が緊迫化したことに伴い、当初の計画より2年前倒しで発足した。北朝鮮が核攻撃に踏み切る兆候を察知した場合、平壌に侵入し、核兵器使用の権限を持つとされる金委員長らを「排除する任務」を担う。

兵力は約1000人。韓国軍3軸システムのうち、大量反撃報復(KMPR)と標的の特定や攻撃(KILL CHAIN)の主要戦力となる。国際テロ組織アルカイダ指導者のウサマ・ビンラディン容疑者の殺害作戦に参加した米海軍特殊精鋭部隊シールズの「デブグル」などを参考につくられたとされ、宋永武国防相は実戦能力が来年末までに整うとの見通しを示している。

韓国・文化日報は特殊任務旅団について「シールズなど各国の特殊部隊は通信機器とナイトビジョンが付いた多目的ヘルメットを基本装備として使用しているが、今回創設された旅団は一般兵士に補給される防弾ヘルメットをそのまま使用している」と報道。ほかにも「特殊部隊の基本装備である対戦車無反動砲のカールグスタフやグレネードランチャーM32なども配備されていない」と伝えた。

カールグスタフは米特殊部隊・レンジャー部隊や英空軍特殊部隊など50カ国の特殊部隊が使用中で、米陸軍では基本装備として採用された武器。韓国の特殊戦司令部は2013〜14年に導入計画を立て国産化に方針を決定したが、コストの問題で開発は失敗に終わった。同時期、米海兵隊が使用するM32の導入計画も立てたものの、後続の軍需支援問題などを理由にこれも頓挫したという。

さらに1000人規模の特任旅団を敵地に侵入させるCH47チヌークヘリコプターなどの輸送機も非常に不足した状況といい、軍関係者は「現在の特任旅団が保有している輸送機では、少佐級が指揮する完全武装地域隊(60人)1、2チームを乗せて運ぶ程度」「旅団全体を輸送するには力不足」と吐露。

「特殊部隊員が強靭(きょうじん)な体力と共に先端兵器で武装してこそ任務を遂行することができるが、基本的な装備はよちよち歩きの水準」と憂慮し、北に侵攻しても「斬首どころかみんな死にかねない」と危機感を募らせている。

「斬首作戦」に関しては昨年9月、北朝鮮からと推定されるハッカーが韓国軍のデータベース(DB)センターに相当する国防統合データセンター(DIDC)に侵入して盗んだ大量の文書の中に具体的な計画が含まれていたとされる。作戦の詳細な内容が北朝鮮の手に渡ってしまった可能性が捨てきれず、その意味でも作戦の前途は多難だ。(編集/日向)