2016年UCIトラック世界選手権の男子チームパシュートに臨むブラッドリー・ウィギンス(2016年3月3日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】五輪で計5個の金メダルに輝いた元自転車選手のブラッドリー・ウィギンス(Bradley Wiggins)氏が、9日に英ロンドンで開催されるボートの大会で競技復帰を果たすことになった。2012年のツール・ド・フランス(Tour de France)覇者で現在37歳のウィギンス氏は、現役時代に数々の偉業を成し遂げたヴェロパーク(Lee Valley VeloPark)で行われる英国インドアローイング選手権(British Rowing Indoor Championships)で、エリート男子2キロメートルに出場する予定となっている。

 ウィギンス氏は、2012年ロンドン五輪の会場にもなったこのトラックで、2015年6月にアワーレコード(1時間の走行距離)の世界新記録を樹立したほか、2016年のUCIトラック世界選手権(2016 Track Cycling World Championships)の男子マディソンでは、マーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish、英国)とのペアでタイトルを獲得した。

 ロンドン五輪の個人タイムトライアルで優勝を果たしたウィギンスは、2016年10月に行われたシックス・デイズシリーズ(Six Days Series)のロンドン大会が最後の競技となり、その2か月後に現役を引退した。

 ウィギンス氏はフィットネスでローイングを始めると、今年6月には2020年に自身6度目の五輪出場を目指すと表明。しかし、今回はボート競技で臨むことになり、室内に固定されたローイングマシンで、6分以内に2キロメートルをこがなければならない。

 ボート競技の五輪王者である英国のジェームズ・クラックネル(James Cracknell)氏は、2020年の東京五輪では40歳になるウィギンス氏について、キャンブルに出る価値はあるとした上で、英紙デーリー・ミラー(Daily Mirror)に対し、「何よりもまず、英国室内選手権は水の上でこぐのではない。彼はマシンを使った競技に臨むことになる。そして、それは彼が競技者として名乗りを上げられる数字を刻む機会になる」と述べた。

 ウィギンス氏は自身のツイッター(Twitter)で、トレーニング中の写真と一緒に「ゴールを目指す!土曜日(9日)の#BRIC(英国インドアローイング選手権)に向けた最後の大きなセッションで、きょうは1250メートルのペースをこなした。(スポーツ科学専門家の)エディー・フレッチャー(Eddie Fletcher)氏とジェームズ・クラックネル氏の導きで、この9か月は素晴らしい旅路を過ごせた。ローイングの強豪選手たちとレースするのは、本当に光栄なことだ。幸せな日々だよ」と投稿している。

 競技復帰を目指しているウィギンス氏は先月、2011年のツール・ド・フランスで当時の所属チームだったチームスカイ(Team Sky)から謎の小包が届けられていたことをめぐり、14か月にわたる英国反ドーピング機関(UKAD)の調査が終了。不正行為についてはチームとともに否定しており、調査期間中は自身と家族にとって「生き地獄」だったと話していた。

 しかし、カリスマ的存在のウィギンス氏は、これらの経緯に加えて、優勝したツール・ド・フランスを含めて三大ツール(グランツール)の前に許可を得て強力なコルチコステロイド(corticosteroid)を摂取していたことについて、今週末に報道陣の前で語ることはないとみられる。
【翻訳編集】AFPBB News