「鹿ぶし」の他に、「鶏ぶし」もある(画像提供:株式会社サイアン)

「鹿ぶし」って聞いたことあるだろうか。かつおぶしではない、「鹿ぶし」だ。

2017年11月、愛媛県松山市の栄養補助食品販売会社「サイアン」が開発した「鹿ぶし」が発売され、話題となっている。かつおぶしといえば、かつおの肉を加熱してから乾燥させた保存食だが、「鹿ぶし」とはいったいどんなものだろう。

Jタウンネット編集部は早速、松山に電話して話を聞いてみることにした。

「和食はもちろんですが、むしろ洋食に合うのでは」


「鹿ぶし」(画像提供:株式会社サイアン)

電話で答えてくれたのは、サイアンの片山秀社長だ。

「私はかつおぶしが好きなんですが、なぜ『肉ぶし』はないのだろうか? と素朴な疑問を抱いたのがきっかけでした。4年ほど前のことです」

「その当時、農作物への鳥獣被害が問題になっていた頃で、駆除された鹿の肉を利用して肉ぶしができないかと思いつきました。ところが鹿肉というのは、脂肪や筋肉組織が多くて、身がバラバラと崩れてしまい、なかなかうまく乾燥できない。試行錯誤の連続でした」と片山社長は語る。

「お隣の高知県に行って、かつおぶし加工の現場を見学させてもらったり、いろいろ工夫を重ねました。ようやく開発に成功した製法は、現在特許出願中です」。商品化した「鹿ぶし」は「花かつお」のように削られた状態で、袋詰めされている(上の写真参照)。


お吸い物に「鹿ぶし」をのせる(画像提供:株式会社サイアン)

「食べ方は、そのまま食べるもよし、ご飯にふりかけるもよし、出汁に使うもよし」とのこと。

「お吸い物に入れたり、卵かけごはんにのせたり、お好みで試していただきたいですね。和食はもちろんですが、むしろ洋食に合うのではという感想も多いですね。なにしろ鹿肉はジビエですから......。スープやサラダなど可能性は大きいと思います」

「プロの料理人や食通の方が、どのような使い方を発見していただけるか、楽しみにしています」と、片山社長は話してくれた。

「鹿ぶし」は、愛媛県松野町にある道の駅「虹の森公園まつの」特産品販売所と、野生鳥獣の肉・ジビエの精肉・販売を手がける「NPO法人森の息吹」ホームページから購入できる。


卵かけご飯に「鹿ぶし」をふりかける(画像提供:株式会社サイアン)