昨年に地下鉄の24時間運行を開始したロンドンでは、年間240億円の経済効果が生まれたという。(Shutterstock/AFLO=写真)

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■NYの地下鉄は24時間運行

東京五輪に向けて、日本でもナイトタイムエコノミーを重視する機運が高まってきた。楽天会長兼社長の三木谷浩史氏が代表理事を務める「新経済連盟」も、観光立国にはその振興が必要と訴える。

「ナイトタイムエコノミーとは、日没から翌朝までに営まれる経済活動全般」と解説するのは、『「夜遊び」の経済学』著者の木曽崇氏だ。

昼間の観光を重視する日本と比べて、他の先進国では夜間の経済活動が活発である。典型例は、夜11時ごろまでミュージカルやライブ演奏などが繰り広げられる米ニューヨークだ。

「地下鉄が24時間運行で帰宅手段に困らず、周辺には終演後飲食可能な施設も多い」(木曽氏)ので、深夜の経済活動も活発になりやすい。

ロンドンやベルリンの地下鉄も、週末には24時間運行を行う。日本でもナイトタイムエコノミーを盛り上げるには、「行政側による深夜交通の拡充が不可欠」(同)となる。

娯楽施設の営業時間が拡大して深夜交通の環境が整えば、訪日外国人の日本での消費額はおのずと増えよう。その結果、先の「新経済連盟」によれば日本全体で80兆円の経済効果がもたらされるとか。ただ、「夜遊びは不道徳との日本人の倫理観が足を引っ張っている」(同)側面もあり、一朝一夕には事が進まない恐れもある。

(金融ジャーナリスト 大西 洋平 写真=Shutterstock/AFLO)