「蛍光灯からLED」でいくら節約できるか

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■東京都が"LED電球100万個"を無償配布

東京都が2017年7月から、LED電球100万個の無償配布を始めている。対象は18歳以上の東京都民。無条件にもらえるわけではなく、白熱電球2個以上を所定の電気店などに持参することで、新しいLED電球1個と交換してもらえる。交換時は本人確認書類が必要、交換できる回数は1人1回だ。

持参する白熱電球は、全くの新品も、すでに寿命が尽きているものもNG。「その時点まで家庭で使っていたもの」が条件となる。

東京都は環境にやさしい都市づくりを目指しており、今回の取り組みもその一環。実際、LEDは白熱灯より省エネで、環境にやさしい照明だ。

そもそも、一般家庭で使用される照明は、主に白熱灯、蛍光灯、LEDの3種類に分けられる。三者の主な違いは、1寿命、2消費電力量、3コスト、の3点だ。順にもう少し詳しく説明していこう。

まず寿命だが、一般に白熱灯の寿命は1000〜2000時間程度とされる。これに対し、蛍光灯は最長1万3000時間程度。さらに寿命が長いのはLEDで、約4万時間とされている。

仮に、それぞれの照明を1日8時間使ったとしよう。その場合、理屈上は白熱灯が最長約8カ月、蛍光灯が約4年5カ月、LEDは約13年7カ月寿命が続くことになる。これはかなり大きな違いだ。

続いて消費電力量の側面について。資源エネルギー庁の「家庭の省エネ百科」によると、同程度の明るさの電球で消費電力を比べた場合、白熱電球の消費電力量が54Wに対し、電球型蛍光灯の消費電力は12W、LED電球の消費電力は9W。つまり、LEDの消費電力量は、白熱電球の約6分の1にとどまる。

ちなみに、月々の電気代において、照明器具が占める割合は、おおむね18.4%(東京都発行の「家庭の省エネハンドブック2017」より)。ひと月の電気代が8000円の家庭なら、照明だけで1500円ほどかかっている計算になる。

■年間1万5000円ほど節約できる計算

もし、この家庭の照明がすべて白熱灯だとしたら、すべてLEDに交換することで、月の照明コストを1500円から250円ほどにまで絞れる。月当たりでは微々たる金額に見えるかもしれないが、年間1万5000円ほど節約できる計算になるので、決して馬鹿にはできないだろう。

最後にコスト(購入代金)だが、一般に白熱電球は100〜300円程度、電球型蛍光灯は1000円前後、LED電球は1500〜2000円程度で購入できる。

寿命を勘案すると、いくら購入コストが安くても、ロングスパンで考えたら白熱灯はお得とは言えない。しかも、頻繁に交換する手間もかかる。今家庭で白熱灯を使っている都民の方は、LED電球1個を無料でもらえるこの機会に、家庭へのLEDの導入を検討してもいいだろう。東京都以外に在住の方も、家の照明器具を見直して、電気代の節約につなげてほしい。

ただし、これはあくまで白熱灯を利用している場合の話。ここまでに挙げた数字からも明らかなように、蛍光灯からLEDに交換した際の節電効果はそれほど高くない。最近の住宅は、最初から照明に電球型蛍光灯が使われていることも多いので、もし家庭に白熱灯がないなら、LEDへの交換を急ぐ必要はないだろう。

前述の東京都の取り組みは、原則1年間。予算がなくなると早く終了する場合もある。気になる人は、早めにチェックしよう。

(ファイナンシャルプランナー 風呂内 亜矢 構成=元山夏香)