VRとブロックチェーンの交差点:仮想世界が仮想でなくなるとき

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仮想現実(VR)は、2020年までに400億ドルの市場に成長すると予測されている。VRにおけるハードウェアとソフトウェアのイノベーションはすでに、とりわけゲームやエンターテインメント業界でおもしろいアプリケーションを生み出してきた。それに加えて、オキュラスやソニーといった企業の新製品が、消費者にもデベロッパーにも、VRヘッドセットをアクセスしやすいものにした。

新しいプラットフォームは、VR技術をマルチプレイヤーゲームに組み込む方法を模索している。それによって、「Second Life」のようなこれまでの仮想世界よりも、さらにイマーシブな体験がもたらされるだろう。

公平を期すために言えば、「Second Life」は仮想世界のなかでプレイヤーがアバターを介してやりとりすることを世に広めただけでなく、仮想世界のアイテムや不動産を介してマネタイズする方法をも普及させた存在だ。こうした仮想世界やオンラインゲームでレアアイテムを手にするための金額は、ときに6桁(ドル)に上ることもある。それらのアイテムは闇市場でも売られている。

今日のVRプラットフォームが力を入れているのは、注目のテクノロジー、ブロックチェーンだ。仮想世界でのアイテムの所有やトレードを、より安全なものにするためである。たとえば「Decentraland」は、その仮想世界のなかで、誰が、どの土地をもっているかを特定するためにブロックチェーン技術を使っている。

VRがありとあらゆるものに使われることによって、仮想世界の土地はいま、現実のそれと同じように売られたり、賃貸されたり、使われたりしている。そしてブロックチェーンが、こうした仮想世界のマーケットを公正なものにすることだろう。

そして悲しきSecond Life

「Second Life」の開発を手がけるリンデン・ラボは、仮想世界のなかで不動産市場をつくろうとした点で評価されるべきだろう。仮想の不動産とはもともと、プレイヤーがゲーム内で手に入れたアイテムや家を置くための場所だった。ユーザーは有料課金をすることでさらに広い土地を手に入れる。

すると次第に、土地の持ち主が「Second Life」の市場を介して土地を売ったり貸したりし始め、仮想世界のなかに経済が生まれていった。マーケッターたちが、そうした土地をプロモーション目的で使うまでに長い時間はかからなかった。

そうして数々の企業が、仮想世界のなかで出店することになった。しかし、「Second Life」への注目やユーザーたちの熱が去ったいま、プレイヤーの数は減少してしまった。その理由は行き過ぎたコマーシャル利用にあったと考える者もいる。ユーザーたちはまた、たびたび発生するラグや、パフォーマンスが改善されなかったことに対しても不満をもっていた。

リンデン・ラボによれば、「Second Life」にはいまだに60万人のアクティブユーザーがいるという。しかしその仮想世界が、かつての輝きを失ってしまったことは間違いない。ブランドはやがて、そのプラットフォームに見切りをつけ、ツイッターやフェイスブックといったより多くの人々が集まる場所に去っていった。

分散型仮想世界へようこそ

仮想現実は、いまだに「仮想」だ。実際にバハマの土地を買えるわけではないので、航空券を取らないように。しかしいま、新たなVR技術が仮想世界を再びおもしろいものにしつつある。ヘッドセットの機能性が増したことで、より解像度の高いビジュアルを表示することができるようになった。触覚グローブのようなハードウェアによって、ユーザーはより洗練されたかたちで仮想世界に触れ、フィジカルなフィードバックを得ることで、これまで以上に没入できるのだ。

こうした技術の発展によって、仮想世界の価値が見直されようとしている。ICOにより35秒で2400万ドルを調達したVRプラットフォーム「Decentraland」では、誰もがそのプラットフォーム上でアプリをつくることができる。それに加えて、「Second Life」のような仮想世界と異なり、「Decentraland」にはサービスを管理する”中央”がない。デベロッパーやユーザーは、VR体験をよりオープンなプラットフォームで楽しめるのである。