初選出の阿部は「上手くチームとして成立するなかで自分を出していきたい」と語った。写真●茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

写真拡大

 日本代表が8日、味の素スタジアムでE-1選手権初戦の北朝鮮戦に向けた公式練習を行なった。
 
 印象的だったのが、落ち着き払った阿部浩之の姿だ。28歳で初めて日本代表に選出されたアタッカーは、まさに自然体そのもの。練習後に初選出・初出場が濃厚な北朝鮮戦について尋ねられると、「それも珍しいことではないと思います」と切り出した後、「出たら、まずはチームの勝ちが必要。負けた試合でいくらアピールしても意味ないと思うので、勝つことを大前提にゴールに絡めるプレーができればいい」と冷静に答えた。
 
 普段通りの姿勢をキープできるのは本人の資質でもあるのだろう。阿部といえば、川崎をJ1初制覇に導いた大宮戦の決勝点が記憶に新しい。クラブの初タイトルがかかった大一番で、開始47秒に決めたのだ。その肝の座り方は、並大抵のものではない。

 ただ、この合宿に関して言えば、チームメイトの影響も大きいようだ。というのも、今回の招集メンバーは「半数以上、元チームメイトがいるから」(阿部)。現所属の川崎からは小林悠、大島僚太、谷口彰悟、車屋紳太郎が選ばれ、さらに昨季まで所属していたG大阪からも倉田秋、今野泰幸、井手口陽介、三浦弦太、初瀬亮、東口順昭の6人が招集されている。
 
 三浦は今季に清水からG大阪に加入したため、阿部と重なった時期はないが、実に22人中9人が新旧のチームメイトなのである。「一番友だちが多いですね(笑)」とリラックスできるのも納得だろう。
 
「懐かしい話もするし、『今、どう?』という話もする」という和やかな雰囲気のなかで、ハリルジャパンの戦術にもすんなり溶け込んでいる。「試合を観ていたらだいたい分かっていましたし、あとは細かい規律をこの数日間で自分のなかで落とし込めた」と手応えは十分だ。
 
 欧州組が不参加の今大会は、国内組にとってW杯メンバー入りをかけたラストチャンス。それでも阿部に過度のプレッシャーはない。勝利にこだわりつつ、「上手くチームとして成立するなかで自分を出していきたい。(監督の要求を)全部が全部聞いていても、良さが出なかったら意味がない。そこは上手くやれたらなと思う」と個性もアピールするつもりだ。