ぐっちーさんは、大相撲と大企業の相次ぐ不祥事の根っこは同じだという。 日本の組織の根本的な弱点とは?(写真:ロイター/アフロ)

とどまるところを知らない、大企業のデータ改ざん問題。

ついに日本経団連の会長が相談役にいる東レも登場。大手企業におけるさまざまな問題が頻発しています。神戸製鋼の問題が発覚したとき以来、私はあちこちで「これは明らかに氷山の一角」、と申し上げておりましたが、そのとおりの展開です。

アメリカでも「Practice」という公然の秘密はあるが…


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これらは私が日本で勤めていた1980年代なら絶対発覚することもない問題だったはずで、実は昨日今日発生した問題ではない。長らくそこにいる社員にとっては「当然」と思われていたことが、突然ネットなどで漏れるようになってきて、世間の基準からはかけ離れている、ということが露呈したという話にすぎません。

多かれ少なかれ、歴史のある大企業は相当世間離れした「常識」をいまだに続けています。こういう問題はアメリカにもあって、英語では「Practice」と言われます。今問題になっている日本相撲協会なども、根っこはまったく同じ構図です。

元来は出るところに出れば不正として処分されるのですが、その企業の中では公然の秘密として継続的に行われているという Practice が日本の大企業にもたくさんあるはずで、何かの拍子に出てくるたびに問題視されることになります。

東芝の粉飾問題もいわばこのPracticeで、これも明らかに氷山の一角です。もっと危ない経理操作をしている大企業はたくさんあるでしょう。大体、監査するべき立場の人たち(監査法人)はその企業にいわば雇われているわけで、どう考えても身内なわけ。その身内が厳しい審査をできると思われますか?

そりゃ、おカネをもらっているのですから、最初から無理ということは明らかで、われわれ企業買収の専門家は監査法人の出してきた数字は、われわれは信じておらず、独自にデューデリジェンス(企業価値評価)を行います。そんなものを信じたら、こっちが倒産しちゃいます。専門家が信じない数字を見せられて株を買っている投資家は最もみじめな存在、と言えると思います。

東芝のようなケースはアメリカでも起こりうるのですが、粉飾を意図的に見逃した会計士には厳罰が待っています。それこそ懲役50年なんて判例もあり、それでやっと中立が守られる。悲しいですがこれが現実です。

アメリカなら、東芝の経営者は「懲役100年」

仮に東芝の事件がアメリカで起きていたら、経営者も即刻逮捕ですね。あのスケールの会社の粉飾だと懲役100年とか出てもおかしくない。株主を裏切ったことになるわけですからその罪は重いのです。しかし日本では東芝の経営者はいまだにのうのうと暮らしていますよね。だったら、ちょっとインチキするか……というのは人情というもので、これが日本資本主義の最大の弱点なのです。

ですからワタクシは基本的に日本株には投資をせず、すべてがクリアーになりうるアメリカ株に投資をすることをお勧めするわけです。

少し角度を変えてみると、なぜこんなくだらないルーティンが日本企業では延々と続いていくのか? それは簡単で、それは終身雇用だから。あなたがおかしいと思っていても、直属の上司も部長も課長もみーんなやってきたことなので、いわば全員同罪であり、それをあなたがおかしいというと、いわゆる「ブラックシープ」にされてしまい、社内であいつは変だ、と言われ、あらゆる出世から遠ざかるのはもちろん、「変人」扱いされる運命にあるからです。

性格の悪い人になると、家族の顔を思い出してみろ、そんなこと言えないだろう……などと懐柔してくるのですから、これはもう組織ぐるみ。政治も大企業も相撲協会も、みんなルーツはまったく同じと言っていいでしょう。これを告発する社員はそれこそ、そこで踏み絵を踏まされているようなもんです。

そして転職したとしても性質の悪い職場だと、新たな転職先に「あいつは会社のカネを着服したから辞めたんだ」「会社の女にセクハラしたから辞めたんだ」などと吹き込むのはお手のもの。もともとお互い脛に傷持つ者同士なので、互いの人事部もツーカーだったりします。

ワタクシの場合、それが嫌で外資系という選択肢を取りましたが、それでもそういう噂は多々出ましたし、今の外資系証券会社は日本の「人事村」出身の人がたくさんいますから、うまく転職したとしても多分そういう噂に潰されるでしょう。ニューヨーク採用なら別でしょうが、悪いものを悪いという人は、もう日本の組織(少なくとも大会社)にはいられない、と覚悟をしたほうがいい。

相撲の話で言えば、いつの間にやら、被害者サイドであるはずの貴ノ岩や貴乃花親方が悪者になってしまう、という怖さです。しかも、貴乃花親方に関しては、協会の責任者という立場はあるにせよ、元来自由であるべきメディアが、ある意味「ブラックシープ」である彼を、突然たたき始めたのにはものすごく違和感があります。

「貴乃花親方は協会に無断で被害届を出したのがけしからん」、などというコメントが出ていましたが、これはふざけた話でしょう。例えばセクハラに会った女子社員がそのまま被害届を警察に出したら、なぜ事前に上司に相談しなかったんだ、と言う話と全く同じです。協会の事情聴取に応じないのも当然で、警察が結論を出すまで黙っていなければ協会に先回りされて、先方に有利な供述を固めるに決まってます。

ワタクシは、実際のセクハラ被害にあった女性の相談にも乗りましたが、会社はとにかく自分の身に火の粉がかからないようにするのに必死で、会社に言うべきではなかった、とやはり後悔していました。この貴乃花親方のやり方はどう見ても世間一般では極めて理にかなったやり方です。そこでいや、相撲協会の伝統は…などと言っているようでは論外ですよ。これこそが、日本の大企業にも見られる悪弊なわけです。

いかなる悪習慣でも、仲間の掟を守らなかった奴はあらゆる手段で踏みつぶす、というこれはもうリンチに等しい行為だと思いますが、そういう切り口で取り上げるメディアはまったくといっていいほど、ない。ですので、ワタクシは経験者として、あえてここで書きたいと思います。

悪弊を断ち切るには「上層部の引退」しかない

企業の不正に話を戻すと、一連の事件で最後は部下のせい(部下が勝手にやったこと)にして切り捨てる……東芝のあの規模の粉飾決算を取締役が知らなかった、というなら、それこそガバナンス不足でさっさとクビにするべきでしょう。いい加減、会社を私物化するのはやめたほうがいい。その意味では日本の場合、会社は株主のものである、という原点に立ち返るべきであり、そういう悪弊を断ち切るには上層部、特に65歳以上の人は早く引退するべきでしょう。あなた方が後世に残せる最高の贈り物は「引退」以外にありません。

大体、今の時代に「昔はこうだった」、なんて経験はくその役にも立ちません。まったく時代が違うのです。ワタクシが商社にいたころのできる社員は、とにかく終身雇用ですから、会社のいうことに従順で言われたことを早く、正確にやる、というのが最大の要件。クリエイティビティ(創造性)など誰も要求されていません。

勝手に市場が大きくなっているので、最大限、マンパワーを投入すれば勝手にパイが増えていくわけですから、こんな楽な話はない。しかし、今や逆にそんな社員はなんの役にも立ちません。ですから当然上司の存在はその会社の将来を妨げるだけで、ただ、「秘密保持」のためだけに組織を維持しているような生命維持装置に成り果てている、と言っても過言ではないでしょう。

いまここで変わらないのであれば日本企業に未来はありません。何とかこの辺で引き返してもらうよう、願っておりますが……。

また何とも難しいレースが回ってきてしまいました……。

2歳牝馬の女王を決める、阪神JF(ジュベナイルフィリーズ、10日阪神競馬場11R)であります。もちろんG1で、現時点での女王決戦。来年の桜花賞(春の3歳牝馬女王決定戦)が同じコースで行われることを考えると、参考レースとしても十分価値があります……が、実際この年齢の牝馬となるとゲートも歩様もまだまだ安定しておらず、絶対視すると穴にはまる、傾向にあります。ところが!!

阪神JFは「オルフェーヴル産駒2頭」が抜きん出ている

今年はなんとあのオルフェーヴルの初年度産駒が2頭も参戦。ロックディスタウンと、ラッキーライラック。いずれもすでに重要な一戦で勝利を挙げており(前者は札幌2歳S、芝1800メートル、後者はアルテミスS、東京芝1600メートル)。

特に前者のロックディスタウンに至っては、牡馬をねじ伏せ、上がり3F(600メートル)32秒台ですっとんでくるという、すさまじい能力を見せました。この年齢の牝馬としてはちょっと考えづらいデータですね。

ということで、いろいろ可能性はありますが、今回は素直にこの2頭。2頭固定から、その他への3連単でもいいかもしれませんね。実に楽しみであります!