東証1部、2部上場メーカー98社のうち、過半数の54社が対ドルの下期想定為替レートを1ドル=110円に設定していることがわかった。想定為替レートは、各企業が事業計画や業績見通しを作成する際、前提となる水準である。12月7日のニューヨーク外為市場では、1ドル=113円台で推移したが、上場メーカーでは、2017年10月以降の想定為替レートを期初設定のレートに「据え置く」ケースが目立ち、外国為替の値動きを慎重に見守っている姿勢がうかがえる。


  • 本調査は、東京証券取引所1部、2部に上場する主な電気機器、自動車関連、機械、精密機器メーカー(3月期本決算)のうち、2018年3月期決算の業績見通しで第3四半期以降(10月以降)の下期想定為替レートが判明した98社を対象に抽出した。資料は決算短信、業績予想等に基づく。

下期の想定為替レート、1ドル=110円が55%

 東京証券取引所1部、2部に上場する主なメーカー98社(3月本決算企業)のうち、2018年3月期決算の下期(第3四半期以降)業績見通しは、対ドル相場を1ドル=110円に想定した企業が54社(構成比55.1%)と最も多かった。次に、105円が15社(同15.3%)、108円が10社(同10.2%)、111円が8社(同8.1%)、112円が7社(同7.1%)と続く。想定為替レートの最高値は105円、最安値が113円だった。現状レートと比較すると、上場メーカーは円高に設定しているようだ。

期初とのレート比較、期初レートの「据え置き」が約6割

 期初の想定為替レートとの比較では、据え置きの「110円→110円」が30社(構成比30.6%)で最も多かった。次いで、同じく据え置きの「105円→105円」が14社(同14.2%)と続き、「105円→110円」が12社(同12.2%)、「108円→110円」が8社、「108円→108円」が7社の順。
 全体では、期初と同じ「据え置き」は55社(構成比56.1%)で、「円安」設定が39社(同39.7%)、「円高」設定が1社、期初が不明は3社で、「据え置き」設定が約6割を占めた。

対ユーロ想定為替レート、1ユーロ=130円が最多

 上場メーカー98社のうち、ユーロの想定為替レートが判明した65社では下期の対ユーロ想定レートの最多は、1ユーロ=130円の19社(構成比29.2%)だった。次いで、125円が15社で続く。最安値は132円だった。なお、期初時点では1ユーロ=115円(38社)の想定企業が最も多かった。


 輸出企業は1円の為替変動でも業績への影響が大きい。こうした中で、期初の想定為替レートを「据え置く」企業が目立った。これは、北朝鮮や中東情勢など地政学リスクによる不透明感の高まりも警戒し、企業が慎重な業績見通しを立てていることの反映かもしれない。
 輸出関連では円安基調を背景に、業績の上方修正を行う企業も多かった。一方、円安は原材料などを輸入する内需企業や中小企業などにはコストアップにつながり、業種や規模でも為替変動の影響は大きく分かれる。
 外国為替市場は、今後も地政学リスクや米国政権の新たな政策などで株式市場とも連動しながら振れ幅が大きく振れる可能性を残している。為替相場の展開次第で、企業収益は大きく影響を受ける。為替相場は円高を窺う兆しもあり、今後の為替相場の展開が注目される。