企業倒産が低水準な推移の一方で、中小企業を中心に人手不足が深刻化している。「人手不足」関連倒産は、「後継者難」型が中心で現状は推移しているが人手不足感が解消されない中で「求人難」型が、2017年1-11月では前年同期より1.8倍増で推移し、今後の動向が注目される。


2017年11月は25件発生

 2017年11月の「人手不足」関連倒産は25件(前年同月29件)で、2カ月ぶりに前年同月を下回った。
 内訳は、代表者や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる「後継者難」型が22件(前年同月25件)、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型が1件(同3件)、中核社員の独立、転職などの退職から事業継続に支障が生じた「従業員退職」型が1件(同1件)、賃金等の人件費のコストアップから収益が悪化した「人件費高騰」型が1件(同ゼロ)だった。

11月の産業別では建設業とサービス業他が最多

 11月の産業別では、最多は建設業の7件(前年同月1件)とサービス業他7件(同5件)、卸売業5件(同3件)、製造業と情報通信業が各2件と続く。

11月の地区別、9地区のうち8地区で倒産が発生

 11月の地区別では、全国9地区のうち北陸を除く8地区で倒産が発生した。内訳は関東10件(前年同月14件)を筆頭にして、中国4件(同2件)、北海道3件(同1件)、近畿2件(同4件)、東北2件(同3件)、中部2件(同1件)、九州1件(同4件)、四国1件(同ゼロ)の順。

11月の都道府県別、最多は東京5件

 11月の都道府県別では、東京の5件(前年同月10件)が最も多く、次いで北海道3件、新潟・兵庫・山口が各2件の順だった。

2017年1-11月の要因別、「求人難」型が1.8倍に急増

 2017年1-11月の「人手不足」関連倒産は294件(前年同期299件)で、全体の倒産が減少するなかで、ほぼ前年並みで推移している。
 内訳をみると、「後継者難」型が230件(前年同期比6.1%減、前年同期245件)、「求人難」型が32件(同88.2%増、同17件)、「従業員退職」型が18件(同12.5%増、同16件)、「人件費高騰」型が14件(同33.3%減、同21件)になり、「求人難」型の著しい増加が特筆される。

2017年1-11月の産業別、建設業とサービス業他で約半数を占める

 1-11月の産業別では、最多が建設業の72件(前年同期比4.3%増、前年同期69件)。次いで、サービス業他が70件(同14.7%増、同61件)と続き、この2産業だけで約半数(構成比48.2%)を占める。
 1-11月の地区別では、全国9地区のうち5地区で前年同期を上回った。増加は北海道(14→22件)、関東(124→126件)、中部(22→30件)、四国(6→9件)、九州(33→36件)で、減少は東北(26→15件)、北陸(6→4件)、近畿(47→32件)、中国(21→20件)の4地区だった。