2017年11月の「東日本大震災」関連倒産は5件だった。8カ月連続で1桁台で推移し、収束傾向が続いている。ただし、累計件数は震災から6年半を経て、1,841件(11月30日現在)に達している。また、11月の負債総額は7億8,100万円で、3カ月ぶりに10億円を下回った。

11月の倒産事例

 食肉用牛飼育の(株)白峰(TSR企業コード:262135507、法人番号:5060001011127、栃木県)は、子牛を福島県や宮崎県から買付け和牛・交雑牛の肥育を行っていた。しかし、東日本大震災により、放射能被害から福島県からの買付けルートが途絶え、経営が厳しくなった。新たなルート開拓したものの、最近は子牛価格の高値が続き、運転資金の増加から借入金が売上高に匹敵するまでに膨らみ、支えきれず破産を申請した。

 スーパーマーケット経営の(有)スーパーいづみや(TSR企業コード:282272577、法人番号: 5050002029846、茨城県)は、昭和21年創業の老舗だったが、東日本大震災で店舗近くの湖にかかる橋が崩落し、利用客数の伸び悩みに拍車がかかった。経営状況が回復する見通しが立たないことから、今年8月に事業を停止して破産手続きに踏み切った。

 2017年11月の地区別は、関東3件(茨城2、栃木1)と東北2件(福島2)だった。
 「震災関連」倒産の累計1,841件を都道府県別でみると、最多は東京の553件。次いで、宮城158件、北海道85件、神奈川76件、岩手・茨城・千葉が各73件、福岡70件、群馬60件、福島59件、栃木58件、静岡50件、山形47件、埼玉46件、大阪45件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は392件(構成比21.2%)だった。
 「震災関連」倒産の累計1,841件を産業別でみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の487件(11月ゼロ)。次いで、製造業が415件(同2件)、卸売業が340件(同ゼロ)、建設業が222件(同ゼロ)、小売業が173件(同2件)と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,670件(構成比90.7%)に対し、「直接型」は171件(同9.2%)だった。

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

  1. 震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型)
  2. 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型)
  3. 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)
  • 集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • 「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)