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●代表的なシミに対応した治療法

できてしまったシミを消すための治療法を医師に聞いた

紫外線への暴露や活性酸素の生成によってできてしまうシミ。アンチエイジングという概念が男女問わず広く浸透している昨今、特に顔にできてしまったシミを医療の力によって消したいと考えている人は少なくないはずだ。実際にどのような施術・治療法があるのか、インターネットなどで調べた経験がある人もいることだろう。

ただ、シミの原因によってどの治療法が適切なのかは異なってくる。そこで、美容皮膚科・美容外科・形成外科のやながわ厚子医師に「シミ消し治療」のいろはについてうかがった。

○シミ治療は種類が豊富

――シミを消す方法の種類とその内容を具体的に教えてください。

シミにはさまざまな種類があり、その種類によって治療方法も異なりますが、今回は多くの方が悩まれているシミの特徴と治療方法について説明させていただきます。

シミは簡単にレーザー治療などでポロリと取れると思っていらっしゃる方も多いと思います。ところが、実際はそうではありません。生きた細胞を改善させていくため、皮膚の生まれ変わりや環境、刺激、レーザー治療の前後など、状態に合わせて多くの要素を含んだケアをしていく必要があり、期間も長くかかるものです。

さらには治療後に再発の可能性もあるため、「シミを消す治療」という単発的な治療より、「シミ治療」として長きにわたりケアを続けていただくことが大事ではないかと思います。

○肝斑

肝斑と呼ばれるシミの原因は、女性ホルモンや摩擦といった外からの刺激など、多岐にわたると考えられています。20代半ば頃から出現してくるケースが多く、あまりくっきりしていないモワッとしたシミとして認められることがよくあります。

治療としては、トラネキサム酸の内服をしていただきます。刺激を避けることが大事で、マッサージも含め、手でクリームを塗る動作にも「擦りつけないように」という意識づけが必要です。光治療やレーザー治療という選択肢では、シミが濃くなるリスクがあります。そのためレーザー治療はできませんが、最近では「レーザートーニング」という治療方法が有効との説もあります。

○日光性色素班

主に紫外線によってできる比較的くっきりしたシミで、一般的なシミはこの日光性色素班が該当します。老人性色素斑とも言われています。

治療はシミの程度により違ってきますが、ビタミンA・Cの超音波導入や、ビタミンCのイオン導入、またトレチノイン療法、トレチノインに準じたような美白用化粧品、ハイドロキノン、光治療、色素レーザー治療などを行います。

○脂漏性角化症

脂漏性角化症も紫外線の影響などにより、盛り上がったように見えるシミです。こちらも程度により、色素レーザー治療や炭酸ガスレーザーなどで切除するといった治療が適応となります。

○炎症後色素沈着

ニキビができた後や虫刺されの後に色素が残るのは、炎症によりメラニンが過剰に増えている状態です。半年から1年の経過により軽減することもありますが、長く持続する場合もあります。

メラニンを早く排出するためのケミカルピーリング、ビタミンCイオン導入、ビタミンA・Cの超音波導入、美白成分のエレクトロポレーション、ビタミン外用やハイドロキノンの外用などが治療法としてあります。

●シミ予防策を日常生活にうまく取り入れる!

――それぞれの治療でかかるおおよその金額はいくらぐらいなのでしょうか。

治療範囲や機種、薬剤により異なりますが、私のクリニックでは「トラネキサム酸(約4,000円/1カ月)」「美白化粧品(6,000円〜)」「光治療(1万8,000円〜)」「レーザー治療(3,000円<5mm未満>〜)」「ケミカルピーリング(8,000円〜)」「イオン導入(5,000円〜)」「超音波導入(8,000円〜)」「エレクトロポレーション(1万5,000円〜)」となっております(すべて税別で2017年11月時点の金額。別途初診料も必要)。

ただ、一度の施術で治療が完了するわけではありません。そして、一人ひとりの方の症状に合わせて、より適切な治療の組み合わせを各クリニックで提案されるケースが多いと思います。

○紫外線対策と無駄な摩擦の回避が肝心

――有事の際には、これだけ多くの治療手段があるとわかったことは心強い限りです。とはいえ、これらの治療は最後の手段とも言えるわけですから、やはり普段からの予防策が大切だと思います。日常の生活の中でできるシミ対策にはどういったものがあるのでしょうか。

シミの原因の大半は、紫外線によるメラノサイト(メラニンを作る細胞)のダメージです。それとあまり意識されていない方も多いのですが、もう一つの大きな要因とされているのが、摩擦などの刺激です。自己流の化粧や洗顔、器具を使った正しくないマッサージなどが原因の色素沈着も多く見受けられます。この2大要因を防ぐことが、シミ予防に直結すると考えましょう。

○紫外線対策

まずは紫外線対策からですが、日焼け止めは毎日塗布してください。「毎日」というのは紫外線が特に強い夏だけではなく、冬の時期や曇り、雨の日もです。化粧品に含まれている日焼け止めでなく、単独での使用をお勧めいたします。

塗るときのコツもお伝えします。きちんと日焼け止めを塗布できている方は意外と少ないです。使用時は500円玉くらいの量を手のひらに取り、お顔の全体にまんべんなく塗り、塗りムラをなくしてください。「今日は自宅で過ごす」という休日でも、日焼け止めを塗るようにしましょう。

そして盲点かもしれませんが、ご自宅で寝ている位置や寝室の日光の当たる位置も確認してみてください。シミが体の片側に偏って出現する方が多いのですが、寝る姿勢や寝る位置などが関係しているかもしれません。紫外線を浴びている側だけ、シミやシワができやすくなるからです。もしくは、車の運転などの生活習慣の影響があるかもしれません。

日焼け止めの種類は、紫外線防止効果の数値などによりいろいろありますが、その日の活動内容によって使い分けてください。ゴルフや海水浴など、強い紫外線を浴びるときに「飲む日焼け止め」も追加するなどの工夫をするとよいですよ。もしも日焼けをしてしまったら、まずはクーリングして炎症を鎮静化させましょう。自宅でのパックもお勧め。冷蔵庫で冷やしたパックでの鎮静は、手軽にできて効果も見込めます。

さらに積極的に紫外線を予防するなら、ビタミンAを含む化粧品を日頃から使うことをお勧めします。皮膚に蓄積されたビタミンAは、紫外線により発生する活性酸素の働きを阻害する効果が期待できます。その結果、紫外線によるシミができにくくなるうえ、シミの改善にもつながります。ただし、ビタミンAの種類や濃度も関わってくるので、ビタミンAを含む化粧品をお使いになる場合は皮膚科などにご相談ください。

○摩擦対策

続いて摩擦についてですが、日常的に些細なことが繰り返されることでメラニンが増えていきます。これは、体質的に起こりやすい方とそうでない方とがいらっしゃいます。

ご自身の行動を振り返ってみてください。化粧時に使うスポンジやブラシなどが汚れていませんか? もしもスポンジが化粧品で汚れて硬くなっていたら、摩擦の原因になりますよ。

洗顔時は顔をゴシゴシと洗っていませんか? 特に頬は頬骨があるため、摩擦を受けやすくなります。また、自宅で使用できる美顔器も使い方を間違えると、擦ってしまうことになります。摩擦が繰り返されると、メラニンが増えて色素沈着を引き起こしてしまいます。これらの行動を変えるだけで、皮膚の状態も徐々に改善される方もいらっしゃいます。

シミができるのを恐れながら生活していたら何もできないですが、予防方法をきちんと把握していればある程度は防ぐことができます。うまく活用しながら、毎日の生活を過ごしてみてくださいね。

また、今回ご紹介していないそばかすや真皮性メラノサイトーシスなどは、さらに違った治療が必要になります。お一人のお顔にいろいろな種類のシミが存在するケースが多いため、まずは皮膚科でご相談ください。

※写真と本文は関係ありません

○取材協力: やながわ厚子(ヤナガワ・アツコ)

美容皮膚科・美容外科・形成外科。En女医会所属。

美容皮膚科クリニック ヤナガワクリニックの院長を務める美容のエキスパート。

美容医療や化粧品やに詳しく新しい美肌治療や化粧品や食事やサプリメントもふくめてカラダの中からも美肌を目指す。二児の母でもある。

En女医会とは

150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。