パブリッシャーは、Googleが絡んでいるときは特に、アドテクのベンダーに対する不満を言いたがる

今回の告白シリーズでは、あるパブリッシャーのプログラマティックの幹部に話を聞いた。彼によると、パブリッシャーは自分のことは棚に上げて、反射的にベンダーを責め立てており、Googleについて不満を訴えることは社会的結束のひとつの形なのだという。

以下はその幹部のコメント。なお、わかりやすくするため、多少編集が加えられている。

――ベンダーに腹を立てているパブリッシャーが多い理由は?



物事がうまくいかないときには、誰もが誰かのせいにしたいものだ。パブリッシャーがベンダーを責める理由は、それが一番簡単なことだからだ。

――というと?



アドテクが崩壊している理由を、自分たちのなかに見つけようとするパブリッシャーは滅多にない。大多数は、まず、怒りをあらわにしたeメールを送るだろう。

――なぜそれが問題だと?



ベンダーにそのような接し方をしても、なんの得にもならない。ベンダーのアカウントマネージャーが一日中、非難の矛先になるだけだ。だが、彼らに対してもっとクライアントらしく接すれば、うまくいっていないときに助けとなるような行動を取ってくれるだろう。彼らを無下に扱えば、問い合わせをしたところで教えてくれるのは、せいぜいタイムゾーンの違う場所にあるカスタマーサービスの直通電話の番号ぐらいだろう。

――この記事を目にしたそのほかのパブリッシャーは、あなたがベンダーにおべっかを使っていると言いそうだが



私は、はじめてオンラインで広告が掲載された1990年代からこの業界で働いている。数多くのパブリッシャーやベンダーとの仕事を通じて双方の立場を見てきたし、アドテクの税金やうさんくさい広告のサプライチェーンに対するイライラがたまっているのも分かっている。楽観的な見方をしていることは認めるが、実際、多くのパブリッシャーは、メールを何通か送るだけで問題を解決できると思っている。

――パブリッシャーは、どのようにベンダーに接するべきだと?



時代遅れな古い考え方に聞こえるかもしれないが、パブリッシャーは、協働関係の築き方を見直すことが、大いに役立つことを見落としている。統合がうまく機能していないときには、サプライサイドプラットフォーム(SSP)の代表と5分だけ話して四半期ごとの目標を聞くというシンプルな行動が、大きな助けとなるだろう。

私たちは、コムスコア200(comScore 200)に載るほどの大きなサイトではないし、規模の大きなパブリッシャーが私たちのベンダーに支払っているような大金を動かしているわけではない。だが彼らは、通常はより大規模なサイト向けに用意されるような商品のテストに、私たちを迎え入れてくれている。Googleエクスチェンジへの入札やFacebookのミッドロール広告のようなもののテストに参加したいとは思わない者などいるだろうか?

こうしたベンダーのいくつかは、インタラクティブ広告協議会(IAB)や「Coalition for Better Ads(良い広告のための連合)」などの業界団体の委員を務めている。ベンダーとの関係を築くことで、こうした業界団体の動向を公式発表前に知ることができ、先々の動きにも容易に適応できるようになる。

――もしもこのパブリッシャーによる苦情が、ベンダーを牛耳っているGoogleに対するものだったら、少しはまっとうな指摘になると思うか?



ある意味ではそうだ。Chromeブラウザ用のアドブロッカーに関連することだが、私は誰もが検索結果を気にかけている理由を知っている。ただ、だからといって、Googleのアドテク商品のすべてに対して不満をいうべきではない。誰もが力を持っている者を責めたがるが、結局は彼らと協働することになるのだ。それは、人々がウォルマート(Walmart)についてずいぶん苦情を述べるが依然として買い物先として選んでいるのと似ている。Google以外のアドサーバーやエクスチェンジを使うこともできるが、ほとんどのパブリッシャーはそれを選ぶことはしない。彼らはその代わりに、単にGoogleを必要悪だと見なしているだけなのだ。

――だが、ときにはGoogleを責めることは楽しくないか?



そうかもしれない。業界のイベントで、パブリッシャーとGoogleの機能に対する不満をいい合うことで、ある意味での社会的な絆を築いている。これは、床屋で寒い天気について愚痴をいい合っているようなものだ。共通の敵を持つことで人々は団結するが、アドテクの分野では、大抵はその共通の敵はGoogleだ。

――デジタルメディア業界でもっともイライラすることは?



頭がいいがビジネスにおいては未熟な人間が多いことだ。

Ross Benes (原文 / 訳:Conyac)