母子家庭を装った女、17年間で不正受給額は約1,200万円にも(画像は『Metro 2017年12月5日付「Woman hid husband at home for 17 years to fraudulently claim £80k in benefits」(Picture: Facebook)』のスクリーンショット)

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どこの国にも不正に手当を受給し、楽をしようとする不届き者は存在する。このほど夫とともに暮らしながらも、17年にわたりシングルマザーを偽って生活保護手当を不正受給していた女の裁判が行われたが、幸運にも女は懲役刑を免れたという。英メディア『Metro』『South Wales Argus』などが伝えた。

英ウェールズのグウェントに住むジャネット・プリチャード(54歳)は1998年2月から2015年10月の17年間、シングルマザーであると申告してベネフィット(生活保護手当)を受給していた。

ところがジャネットには夫デイヴィッドがおり、子供たちとともに同じ家で暮らしていたという。ジャネットが嘘の申告により得た不正受給額は、総額8万ポンド(約1,200万円)近くとされている。

詐欺がバレて逮捕となったジャネットだったが「夫とは別居している」と述べ、自分のベネフィット申し立ては真っ当なものであると主張した。食事を作り、夫の洗濯までもかいがいしくしていたとみられるジャネットは、「シングルマザーとしてベネフィットを申請していた期間は、夫が家の外に車を停めることを許可していた。夫は寝る時は家の中に入っていたが、それは子供たちの建前もあったから。一緒に住んでいるという意識は全くなかった」と言い訳をしていたという。

しかし自宅からは夫婦共同名義の口座が見つかっており、またその口座から支払われていたとみられる家のローン返済書までもが発見された。さらに光熱費やガス、テレビなどの契約や支払い口座など、一家で暮らしていたことを証明する証拠が次々と発覚した。

ニューポート刑事法院で行われた裁判で、当初ジャネットは罪を認めなかったものの先月になって一転し、詐欺罪を認めた。長きにわたり高額なベネフィットを搾取していたジャネットは、不正受給額の返金のために自宅を抵当に入れ、また7,000ポンド(約105万円)を集めており、ジャネットの弁護人は「被告は反省の意思表示をしている」と弁護した。

結果としてジャネットは2年の執行猶予付き1年3か月の有罪判決を受けただけに留まり、懲役刑は免れた。判事は「被告は当初、罪を否認していたために警察の捜査は隅々に及び、結果として嘘が暴かれることになった。今後被告は、返金に最善を尽くすことが望まれる」とジャネットに言い渡した。

このニュースを知った人からは「どうやったらそんな長い間、自分の配偶者を隠し通せるわけ?」「自分を恥じるべき」「長期で高額な不正受給をしていても捕まらなければ隠し通せるってことだし、捕まっても懲役刑にならないんだったら、誰でも不正受給しようとするだろう」「なんだか返金すれば問題ないって感じだけど、そんなのおかしい」「結局シングルマザーって申告している人でも、中にはそうじゃな人もいるってことよね」といった声があがっている。

画像は『Metro 2017年12月5日付「Woman hid husband at home for 17 years to fraudulently claim £80k in benefits」(Picture: Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)