『デッドプール』に“破門”危機? 米ディズニー買収によるFOX作品への影響

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 米ディズニーが、600億ドル(約6兆6,000億円)で21世紀FOXの一部事業を買収する予定だとアメリカの放送局CNBCが5日に報じた。来週にも正式発表される見込みだ。

参考:『デッドプール』に“破門”危機? 米ディズニー買収によるFOX作品への影響

 買収されるのは、映画やテレビスタジオに関する事業や、傘下にある海外のケーブル放送局。米ディズニーはこれまで、ピクサー・アニメーション・スタジオや、アメコミ出版社マーベル・エンタテインメント、ルーカス・フィルムを買い取ってきたが、そこに21世紀FOX傘下の映画スタジオ米20世紀FOXやテレビ番組制作部門の作品が仲間入りを果たす。

 その中でも注目なのが、マーベル・コミックの実写化作品。米20世紀FOXが映画化権を持っていた『X-men』や『ファンタスティック・フォー』のキャラクターたちが、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に合流する可能性があるのだ。

 MCUでキャプテン・アメリカ役を務めているクリス・エヴァンスは、この報道にすぐさま反応。実は彼は、『ファンタスティック・フォー』シリーズで炎を操るヒーロー、ヒューマン・トーチを演じた過去があり、「じゃあ、キャプテン・アメリカとヒューマン・トーチがバディを組むコメディーのスピンオフは誰に持ちかければいいの? 僕は『大災難P.T.A.』と『ファミリー・ゲーム/双子の天使』を掛け合わせる感じで想像してるんだけど」と冗談混じりにツイートしている。

 今後、MCUに新たな仲間が加わるかもしれないが、“破門”が懸念されるキャラクターもいる。下ネタやブラックジョーク満載のデッドプールだ。今までディズニーが手掛けてきたマーベル実写は、『アベンジャーズ』や『ドクター・ストレンジ』など家族でも安心して見られる内容だったのに対して、最近の米20世紀FOXは『デッドプール』や『LOGAN/ローガン』など過激な発言や暴力描写を含むR指定作品を目玉にしてきた。米ディズニーの会長権CEOのロバート・A・アイガーは、2016年の株主総会で「わたしたちが、R指定のマーベル映画を作る予定はない」と明言しているため、規格外の破天荒ヒーローとして愛されてきた『デッドプール』シリーズの存続が危ぶまれる。デッドプール役のライアン・レイノルズは自身のTwitterで、「デッドプールとミッキーマウスの間にある、爆発寸前の性的緊張を解き放つ時が来たな」と双方の関係を揶揄(やゆ)した。

 マーベル実写以外にも、R指定のある『キングスマン』シリーズやリドリー・スコットの『エイリアン』シリーズのほか、年齢制限はないが性的描写とグロテスク表現があるテレビドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズなどFOXの人気作品の中には、ディズニーの作風にそぐわないものが多数存在する。社会風刺とブラックジョークを盛り込んだ長寿アニメ番組『シンプソンズ』が、ディズニーキャラクター入りを果たすのかも気になるところだ。多くの人々を虜にして来たFOX作品を守るためにも、ディズニーは長年のタブーを打ち破る必要があるかもしれない。(文=阿部桜子)