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●空前の低空室率の都内オフィス

三井デザインテックが都内でメディアを集め、セミナーを行った。同社は、住宅のインテリアのほか、オフィスやホテルの内装を手がけるのが、おもな事業だ。そんな同社が、オフィススペースから働き方改革を推進するというのが、今回のセミナーの内容だ。

働き方改革は、目下、経営陣からオフィスワーカーまで、多くのビジネスパーソンに注目されている。当初は、ノー残業デーを設定したり、産休・育児休暇を手厚くしたりといったことが中心だった。つまり、働く時間を短くすることで、余暇や子育てなどに時間を充ててもらおうというところから始まった。

だが、働き方改革は次のフェーズへ移ろうとしている。それは、快適に働けるオフィス空間の構築だ。以前、パソナ・パナソニックの緑化オフィスについて取材したが、方向性は同じといってよい。

○郊外の住宅は苦戦も都内オフィスは活況

三井デザインテック 代表取締役社長 渋谷忠彦氏

三井デザインテックの代表取締役社長 渋谷忠彦氏によれば、「郊外の住宅の売れ行きはあまり芳しくない。だが、都内のオフィスは空前の低空室率になっている。新たなメガオフィスも建設中で、そうした物件のオフィスデザインを手がけることが、弊社のチャンスになる」と、都心部のオフィス需要の活況について語る。

余談だが、同社はホテルのデザインも手がけている。そして、ホテル需要も活況だとしている。地方のホテルもインバウンド需要に支えられ空室率が低い。確かに、地方出張の際に、ホテルの価格が上がっている気がする。需要が高まっていることで、強気の価格設定にしているのかもしれない。

また、同社のソリューション推進部 大川貴史によると、「弊社の顧客からのアンケートで、働き方改革を必要としている企業は89.9%に上る」と話す。オフィススペースの改善による、働きやすさを追求していかなくてはならいと、今後の企業のあり方を説明した。

●これまでのオフィスの変遷

では、これまでオフィス空間はどう変遷してきたのか。大川氏によると、1960年代は教室型のレイアウトだった。70年代に島形のレイアウトになり、80年代はパーティーションの普及により、ワーカーのスペースが区切られていった。これは、空前の好景気により、深夜残業が当たり前になった影響だとする。そして、90年代になると、フリーアドレスが採用されるようになった。ただ、当時のフリーアドレスは、バブル崩壊によりオフィススペースを削減したい経営層の都合が反映したものだという。

では、これからは、どういうオフィスが求められるのか。大川氏によると、どこでも仕事ができる環境が必要になるという。

たとえば米Airbnbのオフィス。家のリビングのようにリラックスできるスペースがあり、そこで仕事ができる。また、ペットを連れてきてもよいし、カフェテリアも広い。米グーグルの場合、自席が用意されながらも、どこでも仕事ができるという。

○浮いた人件費をオフィス環境構築に

大川氏は、アメリカ、オランダ、オーストラリアの企業のオフィスはとても先進的と話す。逆にいうと、自席が決まっていて、そこに張り付いて仕事をする日本のオフィスは、時代遅れということになる。

働き方改革を推進するなら、労働時間の時短だけでなく、快適なオフィスも必要といえよう。企業は時短による人件費削減によって生じた資金を内部留保するのではなく、快適な空間を作る投資にまわしていくべきだろう。

さて、最後にまったくの余談だが、セミナーが行われたのは、三井グループ向けの綱町三井倶楽部。映画やテレビのロケ地になることもある建物で、まるで宮廷にいるかのような豪華さだった。