筆者はあの埼玉の公務員がんばり男、川内優輝がいい線行くのではないかと思っていたのに、あっという間に脱落していって、早くから顔がゆがんだ。がっかりして中継を切ろうかと思ったら、あらら、白い野球帽に白い袖なしシャツの日本人が、アフリカ系のスピードランナーに混じって頑張っている。中距離界の大迫傑だ。
ほっそりして頼りなげなので35キロ過ぎからはバテてしまうのではないかと心配したが、福岡の競技場に入っても粘って、とうとう3位に入った。このところマラソン界の男子は、いつも黒人の人たちにやられっぱなしで、びわ湖マラソンも面白くなかった。日本人が3位になるとは珍しいことだから、しっかりと中継を最後まで見た。インタビュー台に小さな女の子がちょこんと乗ってきたので驚いたが、まだ26歳の大迫の5歳の娘だそうだ。
日清食品グループのエリートコースを捨てて、アメリカの「オレゴンプロジェクト」に参加し、苦労して腕(脚?)を磨いたという大迫のこれからが楽しみだ。たったマラソン2回目、国内では初体験の男が東京オリンピックの希望の星になれればよいが。
相変わらずマラソン中継というと出てくる瀬古利彦が、大迫の活躍を大喜びしていると紹介されたが、陸上界の現状がまだ情けないのを重鎮たちはどう思っているのかと、もっと突っ込んで聞くべきではないのか。筆者は「陸王」のドラマを思い浮かべながら見た。
(放送2017年12月3日12時〜)

(黄蘭)