マルチな活動は俳優業にもプラスに!? 爆走が止まらない菅田将暉の2017年

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 公開中の映画『火花』で、“笑い”への想いをストレートに体現している菅田将暉。息の長いCMであるKDDI「au三太郎」シリーズでもともにお茶の間を沸かす、桐谷健太と共演の話題作だ。

(参考:万千代の中に生きる政次の意志ーー『おんな城主 直虎』“おとわ”が直虎へと戻るとき

 筆者は以前、菅田将暉という俳優に対して、“固定のイメージが上手く浮かばない”と述べたが(参考:http://realsound.jp/movie/2017/09/post-104432.html)、2017年を終えようとしている今、その感触はやはり変わらない。「菅田将暉と言えば、『○○○』」といった、特定の作品やキャラクターが浮かんでこないのだ。それほどに、どの役でも完全に印象が変わるのだが、逆のことを言えば、すべての作品やキャラクターが「菅田将暉といえば『○○○』」だと断言することができるのではないだろうか。それは今年のさまざまな活動にも当てはまる。

 俳優業にとどまらず、次々とマルチな才能を開花させ、歌に、ラジオに、さらには声優と活動の場を広げてきた菅田。

 『キセキ ーあの日のソビトー』のHIDE役で、ほかの若手俳優らとともにグリーンボーイズとしてデビューを果たした彼は、その後ソロとしても歌手デビュー。“人気者が歌ってみた”という枠におさまらない歌唱力で注目を集め、今作『火花』のエンディングでも、桐谷とともに名曲「浅草キッド」を披露している。

 ラジオ『菅田将暉のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)では、演じていない菅田、いわば“素の菅田将暉”の姿を垣間見ることができる。しかしこのラジオで彼が話す内容すら、彼自身のイメージとは結びつかないから不思議なものである。それは冒頭で触れたように、ほかの場でも見せる彼の印象が強烈だからということに他ならない。ラジオで話すのが菅田ならば、歌うのも菅田で、映画の中で漫才をするのも、また菅田なのだ。

 そして、10月30日から11月26日かけて上演され、菅田が久々に出演した舞台『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』では、生田斗真とともにそれぞれタイトルロールを好演。足早に振り返っただけでも、ほとんど爆走状態といっていいほどの活躍を見せた1年であったことが分かる。

 いよいよラストへ向かう、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)でも安定した演技と存在感で作品を支える菅田。柔軟なスタイルで披露するいくつもの才能に驚かされたが、やはりこの2017年はスクリーンでの活躍が凄まじいものであった。

 エッジの効いた世界観の映画『帝一の國』では、超絶ハイテンションで野心の男・赤場帝一を演じ、人気マンガの実写化にそうそうたる面々が集った映画『銀魂』で演じた志村新八役では、軽やかなノリツッコミでコメディセンスを披露。声優初挑戦となる『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の島田典道役では、声だけの表現に全力投球し、中学生の恋心を瑞々しく演じた。肉体改造して挑んだ怪作『あゝ、荒野』の新宿新次役は、その拳に、その咆哮に、観客の魂が削られる、まさに怪演であった。

 そして今作『火花』では、神谷(桐谷健太)の天才性に対して、バカになりきれていない姿が印象的だ。彼が演じる徳永という役は、あまりに自由な神谷と比べれば終始控えめなように見えるが、クライマックスの漫才では圧巻のパフォーマンスを見せる。神谷より先に大人になる、大人にならざるを得ない彼の姿は、涙なくして見られない。

 こうしてみると、彼の軸はやはり俳優業にあるわけだが、今年始めたさまざまな活動は、演じることにおいて良好な関係を築いているように思えるのである。2018年はどんな顔を見せてくれるのか、菅田将暉の爆走は止まらない。

(折田侑駿)