濱田真由(写真:Getty Images)

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5日放送、NHK「グッと!スポーツ」では、テコンドー選手で2015年の世界選手権女子57kg級を制した濱田真由がゲスト出演。強さの秘密や人生を変えた父の言葉を明かした。

テコンドーを「足のボクシング」と表現した濱田。その武器は174cmの長身から繰り出される上段蹴りで、股関節の柔らかさや軸足の使い方によって蹴りの軌道を自在に変えることができるという。

兄の影響でテコンドーをはじめた濱田は小学校3年生でジュニアの日本一に。それでも父・康二氏が病気で仕事を失い、母・敦子氏のパートのみが一家の収入になると、毎日の食事がおかゆになるなど生活は逼迫。そのため、中2の春、卒業後の進路を伝える際には競艇学校を選び、一度は家計を助けることを考えたという。

だが、これを知った康二氏は「子供の頃からの夢だったオリンピックに出場する夢が途絶えてしまう。ものすごくショック」と、20万円の借金をして濱田を東京で行われた世界ジュニア選手権の代表選考会に連れて行くことを決意。試合には勝てなかったが、元全日本王者で濱田と同じ佐賀県出身の古賀剛氏と運命の出会いを果たした。

すると康二氏は古賀氏の指導を受けさせるため、再び借金をして濱田を東京に行かせたり、試合の映像を送って電話で教えを乞うなど古賀氏に猛アプローチ。苦労の甲斐あって、濱田は佐賀に戻り道場を開いた古賀氏と練習することができるようになった。

その2年後、濱田はロンドン五輪に出場を果たすなど、日本を代表するテコンドー選手となったが、食品会社の事務員として働きながらの競技生活。遠征や合宿の費用は自分で負担していた。

そんな濱田を変えたのは、父からかけられた「1位じゃなきゃダメなんだ」という言葉だったという。2013年の世界選手権で日本人選手初となる銀メダルを獲得するも、結果を伝えたのは新聞の小さな記事のみ。「1位にならないと人生は変わらない」と痛感すると、1日8時間の猛練習で自らを追い込み、2015年の世界選手権で優勝した。

すると空港には濱田を出迎える人で溢れ、スポンサーもつき、プロのテコンドー選手に。今年は家族のために新居を購入するまでに至ったという。「(1位と2位では)全然違いましたね。ビックリしました」という濱田。現在は「丸々テコンドーの練習ができる環境になって、1位ってこんなにいいことあるんだって思いました」としみじみと語った。