2017年9月、GoogleはAmazonの「Echo Show」でYouTubeアプリの提供を停止しました。その直後、AmazonはGoogleの傘下にあるスマートホーム家電のNestが販売する一部製品を、Amazon.com上で取り扱い停止とします。さらにその後、一時的にEcho ShowでYouTubeアプリの提供が再開され、GoogleとAmazonの関係は改善されるものと思われていたのですが、2社の関係はより深刻な状態に突入しているようです。

Google is pulling YouTube off the Fire TV and Echo Show - The Verge

https://www.theverge.com/2017/12/5/16738748/google-amazon-feud-youtube-pulled-off-fire-tv-echo-show-nest-devices



Google will pull YouTube support from Amazon Fire TVs in 2018 | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2017/12/google-will-pull-youtube-support-from-amazon-fire-tvs-in-2018/

2017年12月5日、YouTubeの広報担当がAmazonの音声認識端末であるEcho Showだけでなく、ストリーミングデバイスのFire TVでもYouTubeのサポートを打ち切ることを発表しました。Fire TVといえばGoogleのChromecastと同じく、映画やドラマ、スポーツなどのストリーミング配信サービスをTVの大画面で見られるようになるというデバイス。そんな映像視聴用のデバイスでYouTubeが再生できなくなるというのはかなり痛手と言わざるを得ません。



YouTubeの広報担当は「我々はAmazonに対し、お互いの製品やサービスを消費者が平等に手に取れるような契約を結ぼうと交渉を続けてきました。しかし、AmazonはChromecastやGoogle HomeといったGoogle製品を取り扱っておらず、また、ChromecastユーザーはAmazonのプライムビデオを利用できないという状況が続いており、さらにはNestの最新製品の一部まで販売停止とされました。Amazonはお互いがお互いをサポートするという意識が欠如しているので、Echo ShowやFireTVでのYouTubeサポートを停止することとしました」と、YouTubeのサポート停止はAmazon側がGoogle製品やサービスを不当に扱っているためだとしています。

しかし、「これらの問題がすぐに解決し、合意に達することを願っています」ともコメントしており、AmazonがGoogle製品およびサービスを正当に扱うようになれば、YouTubeのサポートを再開する準備があることも明かしています。アナウンスによると、Echo Showでは即時YouTubeアプリの提供が終わっており、Fire TVでは「2018年1月1日からYouTubeのサービスが利用できなくなる」という通知が表示されるようになるそうです。

なお、海外メディアのThe Vergeによると、Amazonの音声認識アシスタントであるAlexaに「Chromecastを購入したい」と話しかけると、Fire TVやRokuといった競合製品の購入を勧められるとのことで、Amazon側の姿勢はかなり根深いもののように感じられます。