仮想通貨革命後の未来像は、 誰にもわからない

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ビットコイン、イーサリアム、リップル……。今、仮想通貨取引に注目が集まっています。現在の仮想通貨の時価総額は、約22兆円。1BTCが100万円を超えています。しかし、仮想通貨取引って何なの? 詐欺に決まっている等、正直、よくわからないという人がまだまだ多いと思います。そんな中、仮想通貨取引の体験を赤裸々に描いた初のコミックエッセイ『ビットコイン投資やってみました!』(たまきちひろ著、コインチェック株式会社共同創業者兼COO・大塚雄介監修、ダイヤモンド社)が12月6日(水)に発刊されました。本連載では、同書の一部を抜粋して、仮想通貨取引のしくみを紹介いたします。第1回は、監修者の大塚雄介さんによる解説をお届けします。

簡単に低コストで世界中のお金のやり取りを実現できる

 今、仮想通貨はゴールドラッシュのような様相を呈しています。仮想通貨時価総額は約22兆円。驚くべきはその伸び率で、1年前のおよそ約14倍にまで膨らんでいます。

 2017年の年初から世界的に価値の再評価がされてきた仮想通貨ですが、はたしてそれがどのようなものなのか、正直、よくわからないという人が多いのが現状でしょう。ここでは、簡単に仮想通貨とはどのようなものなのかについてご紹介します。

 仮想通貨とは、文字の通り仮想の通貨です。物理的なコインのようなものはなく、インターネット上で通貨のように使うことができるバーチャルな通貨のことを指します。世界中に500種類から600種類あるといわれています。

 その中で最も多くの人が所有し、一番有名な仮想通貨がビットコインと呼ばれる仮想通貨です。

ビットコインは、ある人物の論文がきっかけで始まった

 ビットコインの始まりは、2008年11月に暗号通貨理論に関するオンラインメーリングリストに、「Satoshi Nakamoto」と名乗る人物が「Bitcoin:A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文を発表したことに始まります。この論文に書かれたアルゴリズムを、暗号通貨オンラインコミュニティのエンジニアたちが開発し、動くシステムとして作られてきました。

 このシステムの優れている点は、簡単に低コストで世界中のお金のやり取りを実現できる点です。インターネットという技術が生まれて以来、私たちは情報(テキストや音声etc)を簡単に低コストで世界中でやり取りすることができるようになりました。いわゆるIT革命です。

 ところが、インターネットはコピーも簡単に低コストで行えてしまうため、お金などのコピーができてしまっては困る領域には、適用することはできないでいました。

 しかし、ビットコインという技術を使えば、インターネット上でお金がコピーされる心配をすることなく、簡単に低コストで世界中でやり取りすることができるようになります。

 このような技術ですが、当初は、誰もその技術的価値がわかりませんでした。そのため、1BTC(ビットコインの単位はBTC)は、1円にも満たない価格でした。

 しかし、2017年の年初から徐々にその技術的価値が見直されてきました。この技術は非常に革新的であり、現在の金融システムそのものを変えてしまうほどの価値があるのでは(?)という認識が一気に広まったのです。

 その結果、現在1BTCは、100万円を超える勢いです。

 そして、この価格変化に目をつけた人たちが現れます。まるでゴールドラッシュさながらに、我先にビットコインを手に入れようと投資しているのが現状です。

 ゴールドラッシュは、金が採れる金鉱に物理的に行きましたが、ビットコインは、インターネットさえあれば売買することができます。

 インターネット上でビットコインが売買できるサービスをビットコイン取引所と呼びます。例えば、私たちが運営しているコインチェック(https://coincheck.com/)もその1つです。

ビットコインの価値は、本来、技術的な面にある

 このような取引所を通して、ビットコインを売ったり買ったりすることで、投資家は利益を得ます(または損失がでます)。金融商品としては、FXや株のオンライン売買に近いサービスです。

 日本においては、2017年4月に資金決済法が改正され、法律で仮想通貨とは何かが初めて定義されました。これにより、一気にビットコインの売買をする人が増えたのです。

 以前は、東京近郊に在住のITに明るい30歳〜40歳の男性がほとんどだったのですが、今では、四国の60歳の女性から北海道の10代の男子まで、全国の老若男女がビットコイン売買を行っています。

 先ほども触れましたが、ビットコインの価値は、その技術的価値にあります。そのため本来は、その技術的価値を理解した方が自分のリスクの取れる範囲で投資することが望ましいです。

 しかしながら、どの金融商品への投資でも同じですが、投資家の多くは、投資対象について本質的な理解を深めるよりも先に投資してしまいます。

 ビットコイン自体は、開発されてからたった9年しか経っていない技術のため、まだまだ改善途中にあります。

 様々な問題を抱えながらも改善されているため、ビットコインの価格自体もその時々で上下します。今後もこの状態は、数年は続くでしょう。したがって、金融商品としてはハイリスクハイリターンの商品です。その点は、注意が必要です。

今後、お金は確実にデジタルに変わっていく

 ビットコインがどうなるか、仮想通貨がどうなるのかは、仮想通貨事業を約3年経営している私にも正直よくわかりません。

 なぜなら、IT革命が世界をどう変えるか誰にもわからなかったように、仮想通貨革命が世界をどう変えるかは、誰にもわからないからです。

 人類未踏の時代に突入しています。しかしながら、確実に1つ言えることは、お金というものは今後デジタル化していくことは間違いないということです。

 たぶん、数十年後には現在のようなお札やコインでいちいち支払いをするのは、なんとも滑稽な姿になっていることと思います。ちょうど、今見ると大きな移動式電話を肩に掛けて電話をしている姿が、とても滑稽に見えるのと同じです。

 お金のデジタル化は、数十年に1度のパラダイムシフトを起こします。

 これまでのお金の概念を問い直し、再定義することになります。私たちが何も違和感を覚えることなく使っていたお金が、全く別のデジタル化したものになります。

 その世界がどんな世界なのか、それをいち早く体験できる方法がビットコインに始まる仮想通貨を自ら購入し、使うことです。そこには確実に未来があります。

 本連載を通してビットコインに興味を持つ方が1人でも多く現れ、これから本格的に始まるビットコイン・仮想通貨の未来を体験される方が1人でも多く増えれば幸いです。

※本連載は、決して仮想通貨取引を推奨するものではありません。投資判断は自己責任に基づいて行ってください。

※次回は、12月11日(月)に掲載します。

大塚雄介(おおつか・ゆうすけ)
コインチェック株式会社共同創業者兼COO(最高執行責任者)
1980年生まれ。早稲田大学大学院修了。物理学修士号取得。リクルートから分社独立した株式会社ネクスウェイでB2B向けITソリューションの営業・事業戦略・開発設計を経験の後、レジュプレス株式会社を創業(2017年4月よりコインチェック株式会社に社名変更)。現在、取締役COOを務める。日本最大規模の仮想通貨交換取引所Coincheckならびに、ビットコイン決済サービスCoincheck paymentを運営。
https://twitter.com/yusuke_56
https://www.facebook.com/yusuke.otsuka.750
たまき ちひろ
2001年、ビッグコミックスピリッツ(小学館)でデビュー。
2008年、著書『Walkin' Butterfly』がドラマ化。同作品は、2014年7月までに6カ国で翻訳され、2008年にはパリのJAPAN EXPOに招待される。著書『FOOL ON THE ROCK』(少年画報社)がフランスで青少年優良推薦図書に選出、2010年には『Walkin' Butterfly』がアメリカ図書館協会アワードでノミネートされる。2011年に出版された著者自身の婚活体験を綴ったコミックエッセイ『婚活の達人』など、様々なジャンルで執筆。
http://tamakichihiro.com/