2018年サッカーW杯ロシア大会のグループリーグ組み合わせ抽選会を前に、記者会見に臨むロシアのビタリー・ムトコ副首相(2017年12月1日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ロシアの組織的なドーピングを告発したグリゴリー・ロドチェンコフ(Grigory Rodchenkov)氏が書いた日記の内容が、同国への疑惑を裏付けるものだったと報じられたことを受け、ビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)副首相は、その日記はねつ造されたものだと主張した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は前週、ロシア反ドーピング研究所の元所長であるロドチェンコフ氏が書いた日記の一部を公開し、同氏がムトコ副首相を含む同国の政府関係者らと話し合ったドーピング計画の内容が詳細に記されていたと報道。これに先立ち、国際オリンピック委員会(IOC)は声明で、この日記はロシアが国家ぐるみでドーピングを行っていた重要な証拠になるという認識を示していた。

 2014年にソチ冬季五輪が開催された当時、開催国ロシアのスポーツ相を務めていたムトコ副首相は、3日夜の国営放送で詳細には触れず、「これらの日記は、彼(ロドチェンコフ氏)が米国に滞在していた半年の間に書かれ、編さんされたものだと確信している。特定の事実に都合良く書かれており、ばかばかしい内容だ」と主張した。

 前週、ロシア選手5人の失格処分を決定したIOCは、その理由として日記の内容には信ぴょう性があると説明し、「懲罰委員会としては、この日記が新たに書き直されたり、米国滞在時にロドチェンコフ博士が独自に事実をねじ曲げて書いたりしたものであるとはまったく考えていない。従ってこれらの内容は、重要な証拠になり得ると考えられる」と述べていた。

 5日から始まるIOC理事会では、五輪ムーブメントがこれまで直面した中で最も重要な決断の一つとして、韓国で開催される2018年平昌冬季五輪へのロシアの参加可否が決定されることになっている。先月には世界反ドーピング機関(WADA)がモスクワの反ドーピング機関(RUSADA)に科した資格停止処分の解除を見送っており、同五輪でロシアが除外される可能性は高まっている。

 ここ数週間でも、ロシアはソチ五輪のメダリストがこぞって失格処分となる打撃に見舞われており、獲得した33個のメダルのうちドーピング違反で11個が剥奪され、同五輪のメダル獲得数ではノルウェーにトップの座を譲っている。

 WADAの独立調査官リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏が2016年に発表した報告書で、ロシアは国家ぐるみのドーピング違反が指摘され、諜報(ちょうほう)機関による隠ぺい工作が発覚した。調査結果によれば、不正行為はソチ五輪をピークに行われており、諜報機関が検体のすり替えを実行していたとされている。
【翻訳編集】AFPBB News