txt:岩沢卓(バッタネイション) 構成:編集部

株式会社ヒマナイヌの自社スタジオ「ヒマスタ」からライブ配信を行なっている。VR-4HDを用いた無人スイッチングでの番組制作のポイントについて株式会社ヒマナイヌ 代表取締役 川井拓也氏にお話を伺った。

自然な会話スタイルの対話番組を作りたかった

株式会社ヒマナイヌ 代表取締役 川井拓也氏

川井氏:ネット上のライブ配信番組の多くは、テレビのバラエティを参考にして視聴者へ向けてカメラに話しかけているスタイルが多いんです。多く選ばれてきた、テレビバラエティスタイルの利点はわかりますし、業務として請け負うこともありますが、自分が作りたいもの、見たいものとは違うなぁという思いがありました。

撮影スタジオを作るのではなくセミドキュメンタリーのための状況を作りだす

川井氏:通常の撮影スタジオは、当たり前ですが、撮影を優先した作りになっていてカメラやライトなどの機材が沢山あり、その周りにはスタッフがいる状況です。このような環境では多くの人は緊張してしまいます。話のプロではない人であっても緊張していない状況であれば、楽しく自然に話をすることができている。そういう場所を思い浮かべた時に、飲み屋やスナックで話をしている様子が浮かびました。

そこで、バーのようなスタジオを作り、そこは出演者以外のスタッフがいないようなスペース、というのを目指しました。スタジオを作るのではなく、セミドキュメンタリーが生まれる状況を作りたかったんです。

川井氏:毎回セッティングするのは大変なので、カメラの位置も固定し、スイッチングもオートで行えるようにしようと考えました。といっても、画面のクオリティーは高いものにしたいので、ミラーレス一眼を使用して高画質な配信・収録ができるようにしています。

オートスイッチングだからこそ出てくる生々しさ

川井氏:当初はローランドのV-1HDを使用してテストを行いました。スイッチングがループしていることがバレると、しらけてしまうのかと思いましたが、スイッチング間隔を調整することで違和感のないかたちにすることができました。

オートスイッチングの間隔は、いろいろなスピードでテストしたところ5秒では短く、10秒では長く、会話の収録であれば7〜8秒間隔のスイッチングが良いという結論になり、現在は7秒間隔を使っています。

人が行うスイッチングというのは、どのカメラを選択するのかという部分でスイッチャーの個性が出てきます。会話の場合は、話し手よりも聞き手の反応が重要であると考えています。相手の話に頷く・身を乗り出すなど、視聴している側とシンクロするのは聞き手側なので、その反応をいかに選択するかが大事になります。

そして、自動スイッチングは、意図的に選択していないことで、むしろ生々しい反応が出てくることに気がつきました。ヒマスタで収録する番組では、冒頭は挨拶やゲスト紹介などもあるので、手動でスイッチングを行い、タイミングを見ながらオートスイッチングへ切り替えるようにしています。

川井氏:視聴者側にはオートスイッチングであることは伝えていないので、自動スイッチングだとは思っていないと思います。番組を見たことがある人がゲストに来た際に「無人だったんだ!」と驚かれたりもしましたね。

ライブ配信であることの工夫

川井氏:無人で、リラックスして話ができることで、コメントやチャットなどのやりとりは行ってはいないのですが、リアルタイムで配信していることは重要だと考えているので、時計やカレンダーなど、リアルタイムであることがわかるような小物が写り込むことも意識して行っています。

「モトコの部屋」という番組では、テロップで電話番号を表示しているので、生配信中に視聴者から電話を掛けてもらえるようにしています。

VR-4HDを選んだポイント

川井氏:オールインワンであること、コンパクトであることで、機械の存在感も消すことができるので、それが選択した理由です。あとは、そもそもオートスイッチングが簡単にできるスイッチャーが少ないというのもありますね。音声面の機能も充実しているので、スタジオ以外の業務でイベント配信などでも活用しています。

ヒマスタでトーク番組を収録してみたいという方は、現在スタジオ使用料のみで初回利用できるキャンペーンを実施中とのことなので、興味のある方は是非お問合せください。