日本電産は1日、ドイツ日本電産モーターズアンドアクチュエーターズを通じて、車載向け電子制御ユニット(ECU)ハードウェア及びソフトウェアのシステム設計、開発を専業とするドライブエクスパート社の持分100%を取得したと発表した。

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 日本電産は2020年度に売上高2兆円を目指している。2016年度の売上高約1.2兆円からの大幅な飛躍であるが、2012年度の売上高約0.7兆円からの成長は実績だ。

 売上高2兆円を支える市場は、精密小型モータ、車載、家電・商業・産業の三本柱だ。ユニークなことは、三本柱の自律成長に加えて、企業買収を重要戦略と位置付ける。主な企業買収だけでも48社を数え、成功を収めている。それには、適正な価格、経営への関与が得られる価値、相乗効果が得られるかの視点が重要という。

 2015年度の車載事業の売上高は2,713億円。2020年の目標は7,000億円から1兆円であるが、この内新規の買収での寄与分が5,000億円という。今回の発表は、このような状況下での車載向けECUの買収である。

●ドライブエクスパート社買収の意図

 車載モータ及びECU市場は車載パーツの電動化の加速によって急成長しており、現在の2.8兆円から2030年には2倍強の6兆円規模になると予測。売上への寄与に勝算を持っているのであろう。

 現在、高性能ブラシレスDCモータ技術をコアとして、電動パワステ用モータ、エンジンクーリングファン、電動オイルポンプ、電動ウォーターポンプ等の車載向けモータを提供。これらの製品を制御するのがECUであり、ドライブエクスパート社のECUでのハードウェア及びソフトウェア設計の技術力を手に入れたことになる。つまり、相乗効果が見込める。

 最も重要な買収のポイントは、ソフトウェアの技術力を得たことであろうか。今後のEVや自動運転において、プラットフォーム化は大きな潮流である。急速に進化する技術にたいして、安全、環境、快適の基本性能をより高い次元で実現するためのソフトウェアの重要性が確実に増している。つまり、車載向けモータ単体での需要よりも、車載向けモータを制御可能なモジュールのような機能単位での提供がより重要になると考えているのであろうか。

 なお、買収価格に関する情報は明らかにしていない。

●ドライブエクスパート社概要

 ドイツ、テューリンゲン州にある車載向けECUハードウェア及びソフトウェアの開発、設計会社。2010年創業で社員は23名である。2016年12月期の売上高は、1.2百万ユーロである。

 ドライブエクスパート社は、イルメナウ工科大学との共同研究の実施や同大学からの学生の受け入れを行っている。今後も、実学教育を通じたエンジニア人材の育成にも努め、更なる欧州車載事業の盤石化を図るという。