「ジブリの大博覧会〜ナウシカからマーニーまで〜」ポスター

写真拡大

韓国の首都ソウルで今、“ジャパニメーション”(日本製のアニメーション)のイベントが多数行われている。

例えば11月25日から29日までは「21世紀ジャパニメーション企画展〜押井守監督展〜」が開催された。押井監督の代表作8作品を振り返るこの企画展には、押井監督も訪れてサイン会や観客との対話を行ったのだが、韓国で暮らす知人の“押井ファン”によると大いに盛り上がったらしい。

また、12月5日からはソウル世宗文化会館・美術館で「ジブリの大博覧会〜ナウシカからマーニーまで〜」が開催される予定だ。

スタジオジブリの設立30周年を記念して2016年に東京・六本木ヒルズでも行われた同企画展は、当時50万2854人の入場者数を記録。大好評のうちに幕を閉じ、新潟、愛知、長崎などでも行われたが、ついに海外初となる韓国開催が決まった。

韓国でも根強いジブリ人気

スタジオジブリのアニメ映画は、韓国でも絶大な人気を博している。

有名人のなかにもファンを名乗る人が多く、例えば女優のパク・シネは韓国芸能界きってのジブリ好きとして有名だし、人気の美女子ゴルファーのキム・ジャヨンなども、ジブリ作品が好きと公言しているほどだ。

それだけに今回の「ジブリの大博覧会」も多くの集客が予想される。

なにしろ宮崎駿監督の引退や復帰に関する話題が大きく取り上げられるほど、韓国人のジブリに対する関心は高い。2013年にソウルで行われた「スタジオジブリ・レイアウト展」や、2014、2015年にソウルと釜山で開催された「ジブリの立体建築展」でも大盛況だった。

「立体建築展」に関しては正確な入場者数データが見つからなかったが、「レイアウト展」は当時25万人以上を動員したほどだ。今回の「大博覧会」に対しても「楽しみだ」「絶対見逃さないぞ」という反応が多く、さらなる盛り上がりが期待できそうだ。

コスプレ・イベントも多数。サムスン総帥もファン

それにしても、改めて感じるは韓国における“ジャパニメーション”の人気の高さである。

今年1月に韓国で公開された新海誠監督の映画『君の名は。』は、韓国で観客動員数350万人を突破する大ヒットを飛ばした。もはや日本のアニメ映画はマニアだけのコンテンツではない。老若男女を問わず浸透しているといっても過言ではないくらいだ。

「日韓交流コスプレイベント」など、日本アニメのキャラクターに扮したファンたちによるコスプレ・イベントも行われているほどだ。

意外なところでは、あのサムスン・グループの総帥も日本のアニメ・ファンらしい。

3年前に心筋梗塞で倒れたサムスン・クループの李健熙(イ・ゴンヒ)会長が11月、病室で日本のアニメ映画『聲の形』を見たことが、多数の韓国メディアによって報じられた。

この報道を受けた韓国の日本アニメ・ファンたちの反応が面白い。

“韓国アニメ黒歴史3作品”には何かと厳しい韓国のアニメ・ファンたちだが、「偶然か、それとも本人の意志か。すごく気になる」「オタクの世界へようこそ」「他にもぜひ見てほしい作品がたくさんあるんだけど」といった声が寄せられるなど、ちょっとした話題になったりもしている。
(参考記事:韓国アニメ業界が直視したがらない“黒歴史”と呼ばれる3つのアニメ作品

最近はアニメが画面を飛び越えて展示会や企画展のテーマになることも多く、 韓国でも“文化”のひとつとして受け入れられている日本のアニメ。

来年2018年は韓国政府が「日本大衆文化の開放」を実施してから20周年の節目の年となるが、日韓の文化交流がここまで進んだことに感慨深さを感じるのは、私だけではないだろう。

(文=慎 武宏)