市販のクリスマスケーキには危険な添加物がいっぱい!(depositphotos.com)

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 子供の頃、毎年、12月26日になると、隣の家のおばさんが、不二家の大きなデコレーションケーキを持ってきてくれた。どうしてクリスマスが終わってからなのか不思議に思って、おばさんに聞くと――。

 「義兄が不二家の株主で、売れ残ったケーキをたくさん持ってくるのよ。半年前から、クリスマスのためにたくさん作って保存しとくのだけれど、今年は、お祭りのような東京オリンピックが終わって、気が抜けてしまったのか、クリスマスケーキもあまり売れなかったそうよ」

 クリスマスのシーズンになると、この1日遅れのクリスマスケーキのことを思い出します。それから半世紀経ちましたが、不二家など大手菓子会社が半年も前からクリスマス用ケーキを製造しているのは今も変わりません。

トランス脂肪酸を多く含んだ「クリームもどき」

 クリスマスケーキを作り置きできるのは、ケーキの生クリームにあります。生クリームといっても、市販のケーキに使われているものの多くは「クリームもどき」です。生クリームといえば、牛乳から作られると誰もが思うはずですが、市販のケーキに使われている生クリームの大半は、パーム油などの植物油脂を主原料にした、業界では「コンバンドクリーム」と称されるものです。牛乳から作った生クリームより安価のうえ、型崩れがせず保存性が高いことから、長年使われてきています。

 この「クリームもどき」のいちばんの問題点は、将来、動脈硬化を誘発する恐れが強いトランス脂肪酸を多く含んでいることです。子供に食べさせるなら、そのリスクを覚悟すべきです。また、安定剤や乳化剤といった添加物も使われていますので、それによる健康への悪影響も懸念されます。

 子供たちの大好きなケーキですが、これでは悪魔のプレゼントになりかねません。クリスマスケーキには、安心できる手作りケーキか、あるいは添加物を極力使っていないケーキを、町の良心的なケーキ屋さんで買って子供たちと食べて下さい。

 ケーキを選ぶ際の最大の注意点は「どこの菓子メーカーのものにするか?」ということです。不二家、スイパラ(スイーツパラダイス)、コージーコーナー、ヤマザキ、スタバ(スターバックス)、ハーブス、サーティーワンのアイスケーキ、コンビニのPB......。これらのケーキの大半は「クリームもどき」を使用していますし、かなりの品目の添加物が使用されていますので、注意が必要です。

市販のケーキによく使われる危険な添加物

 市販のケーキによく使われる添加物は、ガゼインナトリウム、カロテン色素、加工デンプン、乳化剤、リン酸塩、膨張剤などです。これらのうち、絶対に子供たちに摂取させたくないのは、加工デンプン、リン酸塩、膨張剤です。

 加工デンプンには11品目ありますが、欧州食品科学委員会(SCE)は、「ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン」と「ヒドロキシプロピルデンプン」の2品目について、「製造工程で用いられる化学物質の『プロピレンオキシド』は、遺伝毒性、発がん物質であることが否定できない」との理由から、「乳幼児向け食品に用いるべきではない」としています。

 加工デンプンは一括表示されていますので、11品目中、どの品目を使っているかは消費者には判断できませんが、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンとヒドロキシプロピルデンプンの2品目を使っているケースがほとんどのようです。食品メーカーが加工デンプンの具体的な品目を表示しないのですから、加工デンプンと表示されている食品は避けた方が賢明です。

 リン酸塩(別名:第一リン酸ナトリウム)はpH調整として使われますが、子供の骨格の成長を阻害する添加物です。リン酸を水で薄め、炭酸ナトリウムを加えてから加熱濃縮して結晶物を得、加熱脱水したものです。

 リン酸塩の最も大きな有害作用と見られているのは、カルシウムの作用に悪影響を与えることです。過剰摂取すると、骨のカルシウム減少、軟組織への石灰沈着で骨代謝障害を起す心配があります。また、鉄分の吸収を妨げ、貧血などの原因にもなります。

 膨張剤というのは「ベーキングパウダー」のことですが、2010年10月26日付け朝日新聞はこう伝えています。「ホットケーキやバウンドケーキを週に1個食べるだけで、幼児ではアルミニウムの摂り過ぎになってしまう場合があることを東京都健康安全研究センターの調べで分かった。アルミを含む膨らし粉(ベーキングパウダー)が原因らしい。神経系などに影響を与える可能性があり、摂取量を減らす対策が必要としている」

 パンやケーキなど生地を膨らませるために入っている物質が膨張剤ですが、膨脹剤が問題となるのはミョウバン類(ミョウバン、アンモニウムミョウバン、焼ミョウバン、焼アンモニウムミョウバン)が多量に配合されているからです。

 ミョウバン類はアルミニウムの原料のボーキサイトに硫酸を加えた硫酸アンモニウムから製造される酸性物質です。膨張剤を使うと発酵時間は不要となり、ケーキ生地、パンなどの製造が、きわめて簡単にできるため、効率第一の大手食品メーカーには不可欠の添加物になっています。

 しかしミョウバン類は、アルミニウムと同じです。アルミニウムは、国が使用基準を検討しているほど毒性が認められており、神経の発達に問題を起こしたり、腎臓障害が懸念されています。厚生労働省の調査によると、1〜6歳の子供のアルミニウム摂取量が国際基準よりも多いということがわかりました。

 ミョウバン配合の膨脹剤が含まれている商品は、できるだけ避けるようにしましょう。ケーキのスポンジが妙にしっとりとしたものは、このミョウバン配合の膨張剤が使われていますから選ぶ際の参考にしてください。

 また、手作りケーキを作る場合は、アルミニウムフリーの天然酵母の膨張剤があるので、ぜひそれを使ってください。

シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」バックナンバー

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

郡司和夫(ぐんじ・かずお)
フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。