住宅ローン"借り換え"でトクする人の条件

写真拡大

決して年収は高くないのに、お金を貯められる人がいる。どこか違うのか。雑誌「プレジデント」(2017年2月13日号)の特集「金持ち夫婦の全ウラ技」より、人生の3大出費のひとつ「住宅」にまつわる知恵をご紹介しよう。第1回は「住宅ローン」について――。(全12回)

■地元密着型の金融機関がお得

2016年は日銀がマイナス金利を導入し、住宅ローンも過去最低金利を更新した。16年8月には長期固定型の代表格「フラット35」の最多金利(融資率9割以下・期間21年以上35年以下)が0.9%、大手銀行では三井住友信託銀行の10年固定最優遇型が0.35%まで引き下げられるなど、軒並み大底をつけた。

年末にかけて長期金利が上昇したことで、各金融機関も住宅ローン金利を相次いで引き上げた。現在、住宅ローンを抱えている人の中には、今のうちに金利の低い商品に借り換えておくべきかどうかで悩んでいる方も多いのではないだろうか。

結論から言えば、あと3〜4年で返済が完了するとか、残高が少ないとか、直近に借り換えたばかりというのでなければ、ほとんどの人に見直し/借り換えをお勧めできる。金利が0.5%でも低ければ、メリットを受けられる可能性がある。

実際にどれだけ得になるかは、金融機関の見積もり(仮審査申請)を集めて比較してほしい。大手銀行、ネット系、地域の金融機関(地銀・信用金庫・JA)など、複数の金融機関にあたるのがいい。マスコミの記事で取り上げられることは少ないが、住宅ローンは地元密着型の金融機関に健闘しているところが多い。

■金利だけではない「諸経費」のかかり方

比較・検討の際に注意してほしいのは、金利の低さだけで比較しないこと。借り換えには諸経費(事務手数料や保証料等)を要するが、「一括○万円」というところもあれば「借入額の○%」というところもあり様々だ。一般に前者は諸経費が低くて金利が高く、後者はその逆になっている。また「フラット35」の場合は保証料はいらないが、団体信用生命保険料が別にかかる。

では「支払い総額」で比較すればいいのかと言えば、必ずしもそうとばかりは言いきれない。例えば2000万円の借入残高があると、事務手数料が融資額の2%でも40万円、その他の諸経費を合わせると50万〜60万円にもなってしまう。それだけを一括で支払えるなら、少し金利が高くてもその分を元本返済に充て、借入総額を圧縮したほうがトクになる場合もある。

まさにケース・バイ・ケースだ。基本的には、(1)金利の低い金融機関をタイプ別に複数選ぶ、(2)見積もりを取って諸経費込みの比較をする、(3)借り換えと同時に繰り上げ返済できるならその分を差し引いて比較する、という手順で進めていけば間違いないだろう。

住宅ローン相談では「固定金利型と変動金利型ではどちらを選べばいいですか?」ということもよく聞かれるが、私はサラリーマン世帯なら迷うことなく固定金利をお勧めしている。

金利は、変動金利型のほうが低く設定されている。金利が上昇すればそれに応じて引き上げられるが2008年9月のリーマンショック以降、適用金利はほとんど動いておらず、変動金利でも実質固定状態だ。

今後もゼロ金利状態が続けば結果的には「変動金利のほうが有利だったね」となるかもしれないが、将来の金利がどうなるかなど誰にもわからない。

月々の返済額が増える不安を抱えて過ごすより、固定しておいたほうが資金計画は立てやすいし、精神衛生上も遥かにいい。「固定金利で安心かつ有利だった」がベストだが、「変動金利のほうが結果的に少し有利だったが固定金利だから安心していられた」でもよいと思う。

Answer:0.5%でも差があれば借り換えでトクする可能性あり

----------

菱田雅生(ひしだ・まさお)
ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))。早稲田大学卒業後、山一證券、独立系FP会社を経て、ライフアセットコンサルティング代表取締役。年間200回以上の講演を精力的にこなす。
 

----------

(ファイナンシャル・プランナー 菱田 雅生 構成・文=渡辺一朗)