JR東日本は営業車両の床下に搭載してレールの状態を監視する、「線路設備モニタリング装置」の導入線区を広げる。2020年までに総延長約6000キロメートル超に展開。高頻度にデータを取得して、異変の兆候に素早く対応する状態基準保全(CBM)を実現。線路設備の老朽化や将来の人手不足に対応するために情報通信技術(ICT)を活用して保線作業の効率化を図る。

 JR東日本は13年から京浜東北線や山手線などで線路設備モニタリング装置を検証してきた。リアルタイムに状態を把握して日常の安全確認に活用。取得したビッグデータ(大量データ)を分析することで、小さな変化の進行を予測して最適な修繕計画や方針の立案につなげるなどCBMの確立を目指した。

 モデル線区を徐々に増やし、新幹線での実証にも着手した。17年から本格導入を進め、今秋までに約2000キロメートルでデータの取得を開始。今後、さらに導入線区を広げてメンテナンスの効率化や最適化を進める。

 これまで線路設備の監視では、専用の軌道検測車による年4回の運行と徒歩巡視による状態検査を実施してきた。営業車両による高頻度のモニタリングによって徒歩巡視の回数は減らせ、最適なタイミングで修繕できるため設備寿命は延びる。

 線路設備モニタリング装置は2種類の検査装置で構成。「軌道変位モニタリング装置」でレールのゆがみなどを検測。「軌道材料モニタリング装置」でまくら木やレール締結装置の状態を撮影する。他のJRや私鉄では本運用の例はない。