新説! 新興国通貨は積み立てが一番!? スワップ狙いはどこまでいける?

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 アメリカ経済の好調を受けてドル高が継続。その煽りで新興国通貨が振るわない。下げ続けるメキシコペソ、トルコリラ、南アランドの高金利通貨を使って稼ぐ方法はないものか? 新たなスワップ投資を模索した。

◆メキシコペソ、南アランド、トルコリラ……はアリかナシか?

「私が目をつけたのはメキシコペソ。FXならレバレッジ3倍で投資しても27%ほどの利回りになる計算ですから、不労所得を得る手段として非常に魅力的です」

 そう明かすのは、不動産投資や太陽光発電とFXのスワップ収入で月60万円弱の不労所得を得ている個人投資家の高橋健(仮名)氏だ。なぜ、メキシコか? 外為どっとコム総研調査部長の神田卓也氏は次のように話す。

「当社でもペソの取引は日増しに増えています。きっかけは今年の連続利上げ。一昨年末には3%だった政策金利が4回の利上げで7%へ上昇。高金利通貨として人気のトルコリラに迫る水準まで上昇しており、スワップ狙いの個人投資家の関心を集めています」

 そのため、10月末からはくりっく365でもペソの取り扱いがスタート。そのスワップポイントは一万ペソ(約5万9000円)あたり1日11.8円。外為どっとコムの場合は一日15円だ。年利に換算すると実に9.2%にもなる。

「レバレッジをかけて投資すれば、さらに高金利になります。過去最安値を割っても資金が尽きないように、レバ3倍で投資したとしても年27%です」(高橋氏)

 魅力は金利だけではない。

「格付け会社ムーディーズにおけるメキシコ国債の格付けは『A3』。トルコや南アフリカ、ロシア、スペインなどよりも上で、日本のちょっと下と意外に高い。地理的にも世界の大消費地であるアメリカと国境を接しており、アメリカ経済の恩恵を享受しやすい」(同)

 ただし、アメリカ依存型経済はメキシコのネックにも……。

「メキシコの輸出は8割から9割が対米。しかし、それがトランプ政権の発足とともに減少しています。『国境の壁』にみられるようにトランプはメキシコに対して強硬。またメキシコには世界9位の原油埋蔵量がありますが、アメリカのシェール革命が輸出の落ち込みに拍車をかけています」(神田氏)

 メキシコペソの命運を握るのはアメリカ、とりわけトランプの意向次第とも言えそうだ。

「昨年の米大統領選ではトランプ当選が不安視されメキシコペソ/円は5円を割り込みました。メキシコ中銀が連続利上げを行った背景には通貨安対策の意味合いもあったのです。その後、トランプの“口撃”が落ち着いたことや利上げ効果などで6円台を回復しましたが、メキシコ中銀が利上げを打ち止めにする一方、アメリカは利上げを継続中。金融政策が対照的になり、10月には再び5円台へ突入しています」(同)

 対米ドルでペソが売られれば、対円でもペソ安となりやすい。その影響で、直近のペソ/円も安値圏にあるのだ。

「しかし、ペソ安に対してはメキシコ中銀が介入を行っていますし、介入余力もまだあるはず。また、米ドル/円も金融政策から考えれば上昇傾向です。米ドル/メキシコペソが上がっても、米ドル/円も上がればお互いに打ち消しあって、メキシコペソ/円は横ばいとも考えられます」(同)

 為替レートが横ばいならば安心してスワップ金利を享受できる。ただし、一つだけ注意すべきイベントがあるという。

◆’18年7月のメキシコ大統領選が不安材料に。下げ相場を拾うのが得策か!?

「来年の大統領選挙です。ポピュリスト政党がメキシコでも躍進しており、世論調査ではポピュリスト政党の党首ロペス・オブラドール氏がトップ。彼が反米姿勢を強めるようなら対米輸出がさらに落ち込む可能性がありますし、それを危惧したペソ売りが選挙前に出てくる可能性がある」(同)