WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 石川遼に関する明るいニュースが久々に飛び込んできた。

 2013年から本格参戦を果たし、5年間主戦場として戦ってきたPGAツアーでの来季シード権を失った石川。10月以降は日本ツアーで奮闘するも、自己ワーストの5試合連続予選落ちを喫するなど、苦しい戦いを続けていた。

 しかし、先のカシオワールドオープン(11月23日〜26日/高知県)では、3日目、4日目と石川らしい爆発力を見せて上位争いを展開。優勝には惜しくも届かなかったものの、トップと1打差の2位タイという好成績でフィニッシュし、復調をアピールした。

 石川自身の、今季最後の試合で見せた飛躍。自信を取り戻し、期待を膨らませて来季を迎えられるのは大きい。


来季序盤はアメリカの下部ツアーに挑む石川遼

 その来季、石川は年明け早々から米下部ツアーのウェブ・ドットコムツアーに参戦する意向を示した。

 2016-2017シーズン、フェデックスカップポイント175位で終えた石川は、同ツアーでのコンディショナル出場権を持つ。フルの出場権を有している日本ツアーの開幕は例年4月。少なくともそれまでは、ウェブ・ドットコムツアーで戦うという。

 過去には、今田竜二が下部ツアーでフルに戦ってPGAツアーへの昇格を果たしたが、昨今の同ツアーの現状はどういったものか、改めて確認してみたい。

 1990年、PGAツアーのディーン・ビーマンコミッショナー(当時)の提唱で始まった下部ツアーは、当初「ベン・ホーガンツアー」と呼ばれた。当時からPGAツアーへの登竜門として、一定の注目を集め、下部のツアーとして立派に成り立っていた。

 以降、ツアーに対するタイトルスポンサーもついて、ナイキーツアー(1993年〜)、バイ・ドットコムツアー(2000年〜)、ネイションワイドツアー(2003年〜)と変遷を重ねてきた。そして、現在のウェブ・ドットコムツアーとなったのは2012年6月。そこから、10年間の契約が結ばれている。

 9月末に発表された2018年度のツアースケジュールは、1月に開幕。バハマ・グレート・エグザマクラシック(1月13日〜16日/バハマ・エメラルドベイ)を皮切りに、レギュラーシーズンは23試合行なわれる。その後、”入れ替え戦”と呼ばれるPGAツアーへの昇格をかけたファイナルズが4戦、計27大会がツアーとして開催される。

 米国内の18州と、他4カ国を転戦する同ツアー。まずは、レギュラーシーズン23試合を終えて、賞金ランキング上位25名に入った選手がPGAツアーへの昇格が決定。そうして翌年のシード権を得た彼らは、その優先順位をかけて”入れ替え戦”を戦うことになる。

 また、”入れ替え戦”には、賞金ランキング75位までの選手も出場。26位〜75位までの選手は、PGAツアーでシードを得られなかった選手(フェデックスポイントランキング126位〜200位までの選手など)とともに、賞金ランキング25名を含めた上位50名以内、要するに残り25名に与えられる翌年のPGAツアーへの出場権をかけて戦うことになる。

 ところで、この下部ツアー、現在のウェブ・ドットコムツアーが大きく変わったのは、2013年から。それまでは、11月末から12月に行なわれる米ツアーの最終予選会に合格すれば、すぐに翌年から始まるPGAツアーで戦うことができた。

 それが2013年からは、最終予選会で得られる資格はウェブ・ドットコムツアーの出場権のみ、となった。これは、PGAツアーの「(PGAツアーで戦うのは)まずはウェブ・ドットコムツアーでツアー生活を経験し、そこで結果を残してから」という強い意思を示したもの。以来、ウェブ・ドットコムツアーの出身者を”卒業生”と呼ぶようになったが、それは同ツアーの厳しい戦いをくぐり抜けてきた選手を称えてのことだ。

 実際、最近の”卒業生”は素晴らしい成績を挙げている。2016年のウェブ・ドットコムツアー”卒業生”は、翌2016-2017シーズンのPGAツアーにおいて、10回も優勝を飾っているのだ。その中には、2016-2017シーズン最終戦のツアー選手権を制すなど、ツアー2勝を挙げたサンダー・ショーフリ(24歳/アメリカ)もいる。

 さて、石川がウェブ・ドットコムツアーからPGAツアーへと復帰を果たすためには、再び”入れ替え戦”で上位に入ることがひとつ。それ以外にも、別の道がもうひとつある。

 ウェブ・ドットコムツアーには、”プロモーション”という制度があり、同ツアーで同年に3勝を挙げると、その瞬間にPGAツアーへと昇格できる、というものだ。最近では、2016年にウェズリー・ブライアン(27歳/アメリカ)が成し遂げている。

 何はともあれ、来年1月〜3月まではウェブ・ドットコムツアーで戦うという石川。その間には7試合が開催されるが、今年最後の試合で見せた勢いそのままに、いきなり爆発することを期待したい。そして、完全復活を果たし、再びPGAツアーで活躍する日が来ることを待ち望んでいる。

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