花井悠希の朝パン日誌 vol.12
日本独自進化型パン…〈ジャン・フランソワ〉と〈PANYA ASHIYA TOKYO〉

昨今、日本では本場仕込みの様々な国のパンがいただけますよね。フランス、ドイツ、イタリア、デンマーク、スウェーデン、アメリカ……。国によって、食感や味の好みもまるで違うんだなと感じます。だからこそ、日本の中でムクムクと進化していったであろう日本らしいパンを今回は選んでみました。

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フランスと日本が手を組んだ!?…〈ジャン・フランソワ〉の「めんたいフランス」と「ポテトフロマージュ」。

渋谷のマークシティや表参道駅、GINZA SIXなどに入っていて利便性も高い〈JEAN FRANÇOIS(ジャン・フランソワ)〉。表参道駅の乗り換えで寄り道してみたら、「3種類の小麦粉を使用した、外はパリパリ中はもっちりのフランスパンに、博多名物「やまや」の辛子明太子で作られためんたいバターをたっぷり挟みました!」と書かれた看板が私の前に立ちはだかる(※イメージ)ではありませんか。

しかとその看板に向かい、1つ1つ味のイマジネーションを膨らませていったら、トレイにすぐさま「めんたいフランス」をのせたのは言うまでもありません。その私の俊敏さお見せしたかったわ。(誰に?)

|めんたいフランス|
じゅわん。がぶりとかぶりつく度に、明太バターを吸ったパンから音として聞こえてきます。じゅわんじゅわんじゅわん……。密度が高くもちっと歯応えのあるフランスパン生地故に、しっかりと何度もこちらが噛みしめるものだから、もうじゅわんじゅわんが止まりません!明太フランスって、もう少し固めな明太フィリングなことも多いのだけど、やわやわしためんたいバターだからこその、このパンへの浸透力なんですね。

明太子もバターも元々好きなのに、パンフィルターを通ってきてからのそれらって、美味しさ異常事態。確実に倍以上美味しくなっています(※花井調べ)。小麦の香りと風味って邪魔せず活かしてくれるんだなぁ。いろんなものパンに浸したくなりますね。パンフィルター、おそるべし。

|ポテトフロマージュ|
「Theお惣菜パン」みたいな、具材がしっかりしているものも日本のパンのイメージ。ローストポテトとベーコンがパンに包まれアリゴ風ソース(フランスの郷土料理のチーズソース)がかけられているのですが、このクリームのとろーり感はそそりますよね。Mr.フォトジェニック!Mr.シズル感!!(じゃがいもって男性なイメージ)

ジャガイモはホクホクとしつつみずみずしさも。まろやかなチーズソースと合わせると少し間延びしそうなクリームテイストなのに、ベーコンの旨味でキュッと引き締めているからさすがです。それらを包むパン生地は、甘さ控えめでほのかな塩気、そして大きなジャガイモに沿うように柔らかい。中の具材を味わってねって脇役に徹している感じ、好印象でした。

芦屋から東京にやってきた食パン専門店…〈PANYA ASHIYA TOKYO〉の食パン2種。

食パンこそ、日本の誇るべきパン文化!

最近は食パン専門店も増えて、さらに広がりをみせています。11月18日に駒沢にオープンしたばかりの食パン専門店〈PANYA ASHIYA TOKYO〉の2種類の食パンを、贅沢に食べ比べ♪

|最上級生食パン「Premium」|
こちらは、そのまま生で食べるのがオススメと聞いたので、まずは生から。この切り口の純白さよ。雪よりも白く儚ささえ感じるほどの透明感です。手で割いて口に運ぶと、綿菓子よりもずっとふわふわな口当たりから、一度溶け出すとしっとりさが前に出てきます。その食感は、パンが口内の余白にどんどんと空気を孕んで膨れ上がっていくような印象を覚えます。お口の中でパンが空気を吸ってさらに軽やかに、さらにしっとりと伸びやかに変化していくのです。自分の口で最終仕上げをする、みたいな。

ぜひハフハフと空気を巻き込みつつ食べていただきたい。舌に触れた時の甘みも心地よいです。生食パンにありがちな、あとに甘みがじっとり残るタイプではなくあっさりしていて、それも私個人の好みとしては二重丸!

|もちろんトーストもしてみました。|
トーストするとこんなにもこんがり焼けているのに(私のミス…)、耳も表面もエアリー。あ、これ、歯いらないなと思うほど無抵抗に進入を許してくれます。そっけなく感じちゃうほど。ふわっとした食感はトーストしても健在で(表面までも)、繊細さが際立ちます。しっとりと細やかに解けていく、なめらかな口溶け。生食パンの強みはしっかり残されつつ、しっとりよりも軽やかさが増した印象でした。

|食事にも合う食パンの「Select」|
こちらはトースト一本勝負で!(またしても焼きすぎた…)

キメの細かい生地。断面をじっと見てみると、その気泡1つ1つがとても小さくて複雑に絡み合っているのがわかります。だからどこにも生地の密度を感じる瞬間がないんです。空気が隅々まで細やかに混ぜ込まれているから、口当たりがほふっとソフトで、ムギュッとした圧とは無縁。

プレミアムより、こちらはさっぱりとしていて柔らかく、エアリーというよりは、しなやかさを感じます。すっと容易く歯が入り、身離れもよく、実に爽やかです。人間に例えるなら、青空が似合う好青年!生地の甘みは少し遅れてじんわりと広がり、心温まるテイストを残してくれます。最後は笑顔でさようなら的な!?いい奴だなぁ。さすが好青年!!!

最後は、なぜか好青年まで飛び出してしまいましたが(書いたの自分)、改めて日本ならではのアレンジや工夫を凝らされた日本進化型パンのポテンシャルの高さを感じる回となりました。街のパン屋さんにあるお惣菜パンやクリームパン、あんパンもたまりませんよね。これからも日本的パンにも注目しながらパン巡り続けまーす!!

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