SHISHAMOの快進撃はまだまだ続く 『紅白歌合戦』大抜擢までの充実の1年を振り返る

写真拡大

 『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に初出演することが発表されたSHISHAMO。これまでにも『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)や『SONGS』(NHK総合)などの地上波の音楽番組に出演してきたが、今回錚々たるミュージシャンとともに、『紅白』に大抜擢となった。

 2017年はSHISHAMOにとってさまざまなトピックに恵まれた1年となった。『紅白』への出演は、快進撃が続いたこの1年の集大成とも言えるだろう。デビューから5年、着実に歩みを進めてきた彼女たちの現在地を、ここでしばし振り返ってみようと思う。

 まずは今年の年頭、堤真一、綾野剛らが出演するNTTドコモのシリーズCMでユニークな紹介のされ方が話題となった。内容は上司役の堤真一に「最近の若者に何が流行っているか」と問われた綾野剛が「“ししゃも”っすね」と答えると、魚の“ししゃも”を思い浮かべた堤が「そんなもんが流行ってんのか!?」と驚くというもの。最後には女子高生たちが熱狂するライブシーンが映し出され、“ししゃも”がバンド名であることが明かされる。かねてより10代を中心に支持されてきた彼女たちだが、CMをきっかけにこれまでのファン以外にも「注目のバンド」として知られるきっかけに。加えて劇中では、彼女たちの楽曲「明日も」が印象的に使用されており、名前のインパクトのみならず音楽性の高さという面でのアピールにも繋がった。「明日も」は以降、SHISHAMOの代表曲のひとつとしてTV出演時など積極的に演奏されるようになっていく。

 2月に発売したは4枚目のアルバム『SHISHAMO 4』は、初週に1.4万枚を売り上げ、オリコン週間ランキングで初登場8位に。前作『SHISHAMO 3』の累積売上を初週で上回るハイペースぶりで、自己最高の売上を記録した。

 恒例となった春のワンマンツアー『明日メトロですれちがうのは、魔法のような恋』全19公演を終えると、その勢いのまま8月にシングル『BYE BYE』をリリース。うねるベースラインにギターのキレキレのカッティングが冴え渡る夏のロックナンバーは各地のフェスでもファンを魅了。「ベネッセ 進研ゼミ中学講座」のCM曲としてもパワープレイされ、ロックバンドとしてのポテンシャルを見せつけた。

 そして10月には新垣結衣&瑛太主演映画『ミックス。』の主題歌として「ほら、笑ってる」を書き下ろした。制作にあたってGt.Vo.の宮崎朝子は「人生うまくいかない事が多いというような映画だと思ったので、曲もきれい事だけじゃなくて、うまくいかない所にも着目して作った」とコメント。ストーリーを意識した歌詞世界も相まって、より幅広い層へのアプローチにも成功した。加えて、『ミックス。』には挿入歌「サボテン」も提供。映画作品との幸福な出会いは、プロミュージシャンとしての自信や経験の面でもターニングポイントとなる出来事だったに違いない。

 現在はワンマンツアー『奇跡なんて起きないと言ったあの娘も、いつか誰かととびきりロマンチックな恋をする』の真っ最中。さらに、12月20日には、デビュー5周年を記念したスペシャルボックス『SHISHAMO 4 NO SPECIAL BOX』を完全生産限定で発売する。ライブにリリースにメディア出演と走り抜けてきたSHISHAMOの2017年もラストスパートに入った。激動の1年を走り抜ける彼女たちを見ていて感じるのは、余計なものを脱ぎすて、ひたすら自身の目指す音楽へと向かっていこうとする姿勢だ。感覚を研ぎ澄ませ、等身大で奏でる音楽は、「若者に人気」というカテゴライズを軽々と飛び越え、音楽シーンを俯瞰する中でもまばゆい光を放つ存在へと進化を遂げた。2018年にはついにデビュー5周年。7月には地元・神奈川県川崎市の等々力陸上競技場にて初のスタジアムワンマンライブも決定している。さらなる飛躍に期待しつつ、その動向を見守っていきたいと思う。(文=渡部あきこ)