風間俊介、猟奇的な若者から誠実な好青年へ 『陸王』ストーリー方向づけるキーマンに

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 10月15日より放送されている日曜劇場『陸王』(TBS系)が好調だ。26日に放送された6話の視聴率は16.4%と1話から高い視聴率をキープしてきている。

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 『陸王』は池井戸潤の小説が原作。埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」の四代目社長・宮沢紘一は、先細る足袋の需要から、資金繰りに悩む日々。銀行担当者とやり取りをする中で、新規事業への参入を決める。その事業とは、裸足感覚を追求したランニングシューズ「陸王」の開発。試行錯誤しながらシューズを開発していくうちに様々な人と知り合い、絆が生まれ、ランニングシューズ開発に奮闘する様子を描く感動のストーリーだ。

 心温まるストーリーはもちろんだが、『陸王』が好調である理由のひとつに豪華な俳優陣が挙げられるだろう。主演の宮沢紘一を務めるのは、大御所俳優・役所広司。他にも紘一の長男・大地を山崎賢人、娘のあかねを上白石萌音、こはぜ屋縫製課のリーダーを阿川佐和子、「陸王」開発の協力者を光石研や寺尾聰、「陸王」を履くマラソン選手を竹内涼真、こはぜ屋のライバルとなるスポーツ用品メーカー「アトランティス」の営業部長をピエール瀧……など、実に豪華な面々が出演中だ。今をときめく若手俳優から大御所俳優までが揃い、何かと注目を集めているが、その中でも一際話題になっているのがジャニーズメンバーの風間俊介。

 風間が演じているのは、こはぜ屋がランニングシューズの開発に参入するきっかけを与えた、埼玉中央銀行行田支社、企業融資担当の坂本太郎。利益を追求する支社長やドライな上司とは違い、人との繋がりを大切にする情熱のある男である。しかし、こはぜ屋への融資を支社長や上司に熱心に提案し続けた結果、1話の時点で前橋支店に異動になってしまう。ここで風間の出番は終わりかと思ったが、そうではない。短時間だが各話ごとに姿を現し、ストーリーを方向づけるキーマンとなっているのだ。

 2話では、「陸王」に欠かせない素材“シルクレイ”の開発者・飯山(寺尾聰)と紘一を引き合わせる。冷静に提案をし、結果飯山も「陸王」の開発に参画することになった。3話では、資金繰りに窮する紘一と偶然出会い、「独り言」と前置きをして秘策を伝えた。一瞬の出演であったが、4話〜6話でも物語の方向性を決めるようなセリフを言っている。その演技は、実に見事。決して大げさにならず、とはいえ視聴者の記憶に残るようにハキハキと熱い演技をしている。だからこそ、風間に注目が集まっているのだろう。

 元々、演技派として知られていた風間だが、猟奇的な一面を持った役に定評があった。そもそも注目を浴びたのが、一見優等生だが家庭問題で心を病み、クラスメイトをいじめていた『3年B組金八先生』(TBS系)の兼末健次郎役。その後も、連続テレビ小説『純と愛』(NHK)や『それでも、生きていゆく』(フジテレビ系)、映画『少女椿』などでどこか狂気を感じる役を演じてきた。

 しかし、2017年1月期のドラマ『下剋上受験』(TBS系)では誠実な好青年を好演。今までにない“良い人”を演じることで、風間の俳優としての可能性が確実に広がった。そして、それが『陸王』の坂本役でも活きている。狂気的な雰囲気を封じ、好感度の高い笑顔を見せたり、困った時に眉を下げたり、目線を泳がせたりと、どこからどう見ても“良い人”なのだ。演技デビューから約20年、コツコツと経験を積んできた風間の演じ分けの力あってこそだろう。

 坂本は前橋支店に異動してしまい、話数を重ねるごとに出演時間が短くなってきている。しかし、毎回物語のキーマンとなっていることは間違いない。今後ストーリー展開も、風間が熱演する坂本の行動・セリフによって大きく動きそうだ。(高橋梓)