具体的な戦闘こそ起きていないが、「情報戦」は展開しており、日中戦争は実質的には始まったと考えるべき。今や米国に次ぐ軍事費大国になった中国と戦闘をせずに勝つために、日本は何をすべきなのだろうか? 写真:新華社/アフロ

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ここのところ改善されてきた日中関係。しかし、安心できる状況にはほど遠い。それどころか、すでに広義の意味での日中戦争は始まっていると考えるべきなのだ。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

広義の「日中戦争」は
もう始まっている!

 日中関係が、改善されてきている。安倍総理は11月11日、ベトナムで習近平と会談した。雰囲気は、きわめて友好的で、両首脳は関係改善への意欲をはっきり示した。

 日中関係が改善されるのは、もちろんいいことである。しかし、決して油断することはできない。中国は5年前、尖閣、沖縄を奪取するための戦略を策定した。「広義」での「日中戦争」は、もう始まっているのだ。

「日中戦争が始まった」――筆者がその事実を目の当たりにし、大きな衝撃を受けたのは2012年11月15日のことだった。

 私はこの日、「ロシアの声」に掲載された「反日統一共同戦線を呼びかける中国」という記事を読んだ(記事はこちら)。いままで連載では何度も触れたが、この記事には衝撃的な内容が記されていた。

 ・中国は、ロシア、韓国に「反日統一共同戦線」の創設を提案した。
 ・「反日統一共同戦線」の目的は、日本の領土要求を断念させることである。
 ・日本に断念させるべき領土とは、北方4島、竹島、尖閣および沖縄である。
 ・日本に沖縄の領有権はない。
 ・「反日統一共同戦線」には、米国も引き入れなければならない。

 これを読み、私は「日中戦争が始まった」ことを確信したのだ。

 しかし、普通の人がこれを読んでも「確かに衝撃的な内容だが、『戦争が始まった』というのは、大げさだ」と思うだろう。そう、日本人は「戦争」というと、バンバン撃ち合う「戦闘行為」を思い浮かべる。いや、それしか思い浮かべることができない。

 実をいうと、「戦争」は「戦闘」に限定されない。むしろ「戦闘」は、広い意味での「戦争」の「最終段階」で起こる。そして実際は、戦闘が起こった段階で、勝敗は決している場合がほとんどなのだ。

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