伊豫健夫プロダクト担当執行役員が今年のメルカリの取り組みを振り返った(メルカリ新サービス「メルカリNOW」プレス発表会にて)

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 2017年はフリマアプリにとって飛躍の1年だった。不正出品やユーザー同士のトラブルなど、ネガティブな話題も多かったが、それも市場成熟の裏返し。すでに若年層を中心に社会インフラとして受け入れられつつある。11月27日に提供を開始した即時買取サービス「メルカリNOW」の発表と合わせて、伊豫健夫プロダクト担当執行役員が今年の取り組みを振り返った。

 メルカリがローンチしたのは2013年7月で、今年で4年目。11月時点で日本では6000万ダウンロード、米国では3000万ダウンロードを記録。競合が日本より多い米国でも、着実に知名度が向上しているという。また、今年3月にはイギリスでもサービスを開始し、ヨーロッパ市場の開拓にも積極的に乗り出している。

 流通総額は16年度で1200億円。ネットオークション最大手の「ヤフオク!」の9000億円とは、まだ差は大きいが、伸び率を考慮すると、あと数年で逆転する可能性もある。マクロミルが17年5月5日〜17日に実施したフリマアプリ利用状況把握調査によると、フリマアプリ利用者中のうち、約94%がメルカリを利用しているという結果も出ており、基盤は盤石になりつつある。

 サービスの幅も拡大している。メルカリ内でいえば、ブームの予兆が出始めているライブコマースサービス「メルカリチャンネル」を7月に開始。今回発表した即時買取サービス「メルカリNOW」も、従来のメルカリアプリ内から簡単にアクセスできる。

 プラットフォームの仕組みも進化している。利便性の向上という点ではAI出品をスタートし、よりスピーディに商品を出品できるようになった。安全性に対する配慮については、人力とテクノロジーの両方で利用規約に反する行為の監視体制を強化。12月1日からは個人情報の確認も厳格化する。

 フリマと合わせて近所の住人とコミュニケーションがとれるアプリ「atte」や本やDVD、ゲームに特化したフリマアプリ「KAURU」、ブランド品に特化した「MAISONZ」など、メルカリとは異なる切り口のアプリもローンチした。伊豫プロダクト担当執行役員は「中心となるメルカリを継続的に改善しつつ、さまざまなアプローチでメルカリの世界観を拡大していきたい」とコメント。来年のC2C市場の展望を問うと「特定のカテゴリや売り方に特化したサービスが続々と登場するのでは」と回答した。

 11月20日には「ヤフオク!」がブックオフコーポレーション、マーケットエンタープライズとの連携を発表、11月21日には即時買取サービス「CASH」を運営するバンクをDMM.comが70億円で買収するなど、C2C市場周辺の動きは活発化している。最大手とはいえメルカリも変動の激しい市場では油断は許されない。18年も17年同様に足元を固めつつも、矢継ぎ早に戦略を打ち出していく必要がありそうだ。(BCN・大蔵 大輔)